製鉄所のダイナミックさに圧倒
学校では理学部化学科に入学して、無機化学の研究室に入りました。その研究室では、地元ガラス工房との共同研究があり、そこで出会ったのが色ガラスでした。美術館などで販売されているガラス工芸品の開発に携わることになり、 色に関わる仕事に興味を持ち始めていました。また、自ら立てた仮説を自分で検証できる研究の面白さに気づくきっかけでもありました。そんな思いで就職活動をする中で出会ったのが、大谷製鉄でした。色ガラスから急に鉄?という感じで関係なさそうですが、工場見学で鉄をつくる大型の電気炉を見学したとき、スクラップをアークで溶解する時の大きな音や、1600℃以上の高温で赤く輝く溶鋼が流れ出る様子を目の当たりにして、そのダイナミックな迫力に圧倒され、入社を決めました。
人との関わりの大切さ
学校での経験から研究職に興味を持っていたこともあり、入社後は研究開発部に所属し、製品品質と製造プロセスの改善と開発のための研究を担っています。研究においても製造の知識は大事なので、分からないことやできないことは社内の製造スタッフや生産現場の人たちに頼るようにしています。知識や経験の豊富な方と会話することで、自身の知識の幅もぐっと広がり、また熱意を持って説明すれば、自身の思いに共感して、業務に協力してくれる人が増えたと感じます。社外での出会いも大変貴重で、実際に学会で知り合いになった方が、今では同じ職場で一緒に働いています。
うまくいかない時こそワクワクする
仕事のやりがいを感じるのは、材料の強度設計や鉄の溶解実験において仮説通りの結果が得られた時はもちろんなのですが、思い通りにいかなかったときこそワクワクしますし、その原因を解明したときにはより大きな達成感を感じます。思い通りにいかないということは、自分の知識や考え方を大きく拡げるチャンスです。持続可能な社会に向け、鉄鋼業においても新たな課題が沢山あります。現在、私は電力や炭素使用量削減の技術開発にも取り組んでいます。いずれも難易度の高い開発ですが、困難な局面を何度もクリアする楽しみを感じながら、解決に向かっています。
従業員を大切にする会社
社内にいると気づかないことが多いですが、他社から来られた方は、福利厚生の充実に大変驚いています。私自身、結婚して子供ができてからは、子供の発熱等で途中退社を余儀なくされることもありますが、上司や関係者が柔軟に対応してくれています。なにより会社として、従業員だけでなく子供や家族のことを第一に考えることが当然という社風で、安心して生きがいを感じながら家庭と仕事の両立が出来ています。