家庭菜園
生産管理室 ハンドルネーム bread scent(女性)
私は、今年の春から家庭菜園を始めました。きっかけは、実家に帰った時に祖母が作ってくれた押し寿司です。祖母の得意料理の一つでもある押し寿司。昔から変わらない作り方で、作る前日にサバを焼き、身をほぐして酢や砂糖などを混ぜた調味料に一晩しっかり漬け込み、味をなじませます。翌日、前日から漬け込んだサバの身と酢飯を型に入れて力強く押すと、きれいな長方形の押し寿司が出来上がるのです。完成した押し寿司に、山椒の葉をパチンと手で叩いてのせるのが、昔から私の仕事でした。とてもいい香りのする山椒の葉と一緒に食べる押し寿司は私の大好物です。いつものように山椒の葉を叩いていた時にふと、山椒の葉って、スーパーで売っているのを見たことがないな。何処で買ったのだろう?と思い、祖母に聞いてみました。「おばあちゃん、この山椒の葉って何処で買っているん?」すると、「うちにいっぱいあるねけ。」と、笑いながら答えてくれました。「うちに?」頭をかしげると、祖母は私を家の庭に案内し、一本の木を指さしました。「ほら、いっぱいあるやろ。」私は、その時初めて山椒は木になっていて、実家にある事を知ったのです。 大切に育てていきたい その山椒の木は、去年亡くなった祖父が育てていた木らしく、今も祖母が大切にしているそうです。その話を聞いて、私も何か育ててみたくなり、祖母に伝えました。すると、「一株育ててみられ。」と言って、祖母がくれた小さな苗は、二人が大切に育ててきた山椒の木からこぼれ落ちた種が芽を出したものでした。小学校以来自分で何かを育てた事がなく、最初は、いつか枯らしてしまうのではないかと不安でしたが、今は楽しみながら山椒の木を育てています。主人と一緒に育て、いつか子供が出来たら祖母の様に山椒の葉をのせた押し寿司を作ってあげたいという目標が出来たからです。家庭菜園を始めることにしたのは、それからです。今は、トマト・ナス・ピーマンをプランターで育てていて、実ったものから調理をし、美味しく戴いています。来年は、プランターではなく庭に小さな畑を作り、ジャガイモや玉ねぎなどを育てたり、花壇に花を増やしたりしたいと計画しています。