9月20日「空の日」
技術部機械保全課 ハンドルネーム 空男(30代:男性)
9月20日は「空の日」で、今月は各地で空の日にちなんだイベントが開催されます。私は以前、航空会社で整備をしておりましたので、航空業界に携わった観点から、飛行機の歴史や自分の人生観について話をしたいと思います。 『飛行機の歴史』 飛行機が世界で初めて飛行したのは、1903年にライト兄弟がライトフライヤー号に搭乗し約36mを飛行したことに始まります。「たった36mの飛行?」と思う人もいると思いますが、人類で飛行が出来なかった時代に、飛行が可能であるという証明が出来た、大きな第一歩が踏み出せた出来事なのです。それからは、色々な壁を乗り越えて航空技術が飛躍的に発展し、現在ではお客さんを乗せて一度に何千qも飛行可能な便利な乗り物となっています。ですが、それまでの飛行機の発展の過程で、戦争で多くの犠牲者を出したり、技術研究の為に多くのパイロットの命が失われたりという暗い事実がある事も忘れてはいけないと思います。 『飛行機と日本の技術』 日本も、航空技術の発展には大きく関わっています。純国産で有名な『零戦』という戦闘機は世界を驚かしました。何で驚かしたかというと『速度』です。当時の『零戦』に勝てる速度の戦闘機はないと言われています。速度の向上に大きく影響を与えたのは、金属材料の改良と空気抵抗の低減だそうです。金属材料では、鉄が主流だったものをアルミニウム合金に変更し機体の軽量化をした事と、空気抵抗の低減には、機体の表面の凹凸部をやすりで平らにする事で空気との摩擦を軽減したと言われています。 『日本の技術力の良さ』 速度をだす為に、とことん軽量化にこだわったその姿勢や、世界をも驚かした巧みな日本の技術力は本当に凄いなと感じます。日本の技術力は、一見外見では目立たないけど、使用してみると効果絶大ってところが、日本人の緻密さがにじみ出ている気がします。日本以外の国が、真似しても真似できないそんな日本の技術力は世界一だと思うし、これからも止まることなく技術発展し続けると信じています。また、そんな技術大国である日本人の血が自分にも流れていると考えると、とても誇りに思えます。 『飛行機の歴史から学ぶ』 最近は、結果をすぐに求められる社会になってきていると感じますが、結果は後から付いてくるものだと自分は思っています。その理由は、飛行機が初飛行したのは1903年ですが、研究はそれ以前の400年前からレオナルド・ダ・ビンチによって研究がされていたと言われているからです。当時は技術や材料の進歩が遅れていた事で、実現には至らなかったのですが、研究をし続けた事で結果が生まれた訳です。ですから、自分自身も、結果をすぐに求めず、目標を持って努力し続けることが人生にとって非常に大切ではないかと感じています。