場所:オーバードホール

写真提供:田中広告写真



第1部

1.富士
2.ちゅら玉
3.ミリャンアリラン
4.竹田の子守唄
5.三面鏡
6.陸に上がる〜カメのうた
7.いつもここに

 第1部の最初の曲は、川嶋さんと竹澤さんのお二人による「富士」です。お二人で制作されたアルバム「Passion of Asia」でも第1曲目に収録されています。このアルバムは、「アジアの音」をイメージして作られたとのことで、「富士」は日本の伝統的な音階で作曲された、川嶋さんのオリジナル曲です。



 2曲目からは、パーカッションのヤマダベンさんが加わりました。
 沖縄の白い砂浜と青い海の波音のイメージから始まる「ちゅら玉」、韓国の民謡「ミリャンアリラン」と進みます。ヤマダベンさんが加わっての、この日の演奏は、主旋律以後はすべてインプロビゼーション(即興演奏)で行なわれており、お互いがその曲の局面、局面で感じるイメージを音にしていきます。

 4曲目の「竹田の子守唄」では、主旋律を竹澤さんが歌います。竹澤さんの歌声と川嶋さんのテナーサックスによって、日本民謡ならではの力強さと郷愁が、見事に表現されました。
 5曲目の「三面鏡」はインドのサウンドをイメージして作られたとのこと。竹澤さんは雅楽で使われる「笙(しょう)」で前奏をスタート。川嶋さんのフルートによるテーマ(主旋律)が演奏され、フルート・ソロの途中から、ヤマダベンさんのパーカッションでインドの打楽器「タブラー」のイメージがサウンドになっていきます。


インタビュー・コーナーです。

岡本
「お聴きするたびに川嶋さんの演奏が、まったく違う気がするのですが?」

川嶋
「私はジャズ演奏家と言われるよりは、即興演奏家と言われたい思っています。その場にいる演奏家、シチュエーション、気分などによって、出てくるサウンドは変わると思っています」
岡本
「竹澤さんは伝統的な音楽の世界の方ですが、このように新しいスタイルの音楽をなさるようになったきっかけは?」

竹澤
「特に目的を持って、意識してチャレンジしてきたわけではないのですが、目の前にある自分のやるべきことに、一つ一つ取り組んできたら、『ここに来ちゃった』という感じなんです」
垣田
「いろんな楽器がならんでいますね」

ヤマダ
「こんな楽器を演奏したい、と思って増やすというよりは、ある打楽器を使って演奏していると『ここで鈴の音がほしい、シンバルがほしい…』とやっているうちに、こんなに増えちゃったんですよ。これからも増えるかも」


 6曲目は竹澤さんの作曲で「陸に上がる〜カメのうた」。
 竹澤さんが高校の箏曲部からの依頼で作曲した組曲の第2章の曲だそうです。カメがのそのそと歩く様子がユーモラスに表現されたテーマが箏とパーカッションで表現され、川嶋さんのテナーサックスで生命感あふれる響きが続きます。
 第1部の最後の曲は、川嶋さんの「作詞・作曲」の「いつもここに」。
 「『作詞』はすごく恥ずかしいものでしたけど、メロディをつけると普通なんですよ。これはメロディというものがもつ力なのかなと…。」


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