場所:オーバード・ホール

写真提供:田中広告写真



第1部
友井賢太郎トリオ


【曲目】
「Mack The Knife(Moritat) 〜匕首マッキー(モリタート)」
「St.Thomas(セント・トーマス)」
「All Of Me」
「No Problem 〜危険な関係のブルース」
「The Days Of Wine And Roses 〜酒とバラの日々」
「浜辺の歌」
「Take The “A” Train 〜A列車で行こう」

【アンコール曲】
「SUKIYAKI 〜上を向いて歩こう」

 オープニング映像が終わり、ステージ上が一旦暗転した後、友井賢太郎トリオの皆さんが登場。友井さんの手拍手のテンポで流れ始めた曲は、日本でも大ヒットしておなじみの「Mack The Knife(Moritat) 〜匕首マッキー(モリタート)」です。ピアノ・ソロでリズミカルに演奏され、楽しくハッピーな第1部を予感させる1曲になりました。
 1曲が終わると、そのままドラムとエレクトリック・ベースがカリプソのリズムを刻み始め、トリオでの1曲目はこれもジャズのスタンダード・ナンバーとして有名な「St.Thomas(セント・トーマス)」です。テナー・サックスの名手、ソニー・ロリンズがお母さんの生まれ故郷のセント・トーマス島をイメージして書いた曲だけに、明るく軽快なナンバーです。途中ベースの池田さんが、フリー・テンポでチョッパー奏法を織り交ぜたソロ演奏を聴かせて盛り上げます。
 2曲演奏を終えたところで、メンバーのご紹介です。
ピアノ:友井賢太郎さん 富山を中心に、コンサートや各種イベント会場、ラウンジなどで四半世紀を超えて演奏活動を続けるベテランです。
ベース:池田達也さん 東京からのスペシャル・ゲストで、マルチ・ベーシストとして著名。
ドラムス:池畑外雄さん いまや北陸を代表するドラマーとして中央にも知られているドラマーです。


 3曲目は、ボーカルや演奏で数え切れないほどの録音があるスタンダード曲「All Of Me」。それだけに、それぞれの演奏者の持ち味がにじみ出る曲でもあります。友井さんの遊び心いっぱいのフレーズに池田さんのウッド・ベースが絡み、4ビートならではのグルーヴ感あふれる1曲になりました。




 ドラムによってラテンのリズムが打ち出され、ピアノとベースが加わって始まった曲は「No Problem 〜危険な関係のブルース」。テーマが終わってソロが始まると軽快な4ビートに変わります。


 ここで司会者からトリオ・メンバーへのインタビューです。
司会(岡本):友井さんからメンバーのみなさんのご紹介を…。
友井さん「池畑君は10数年来の付き合いで、大いに頼りになるドラマーです。池田さんは音楽学校時代の同期生で、30年くらいの付き合いです。」
岡本さん:「池田さんはいろんな方面でご活躍ですが、演奏以外でもジャズ専門誌の中で『たつやの”お気楽”ウッド・ベース入門』という講座を連載しておいでですよね?」
池田さん:「ええ、気楽に読んでほしい、との思いで頭に“お気楽”とつけていますが、よろしかったら読んでいただいて、ベースという楽器に親しみを感じていただければ幸いです。」


 ここで司会者から、第2部にご出演のTOKUさんと、友井トリオの皆さんとのサプライズ共演のご紹介があり、TOKUさんがフリューゲル・ホーンを小脇に抱えてご登場です。
岡本さん:TOKUさんの吹いておいでの楽器について、簡単にご紹介ください。
TOKUさん:「フリューゲル・ホーンといいますが、簡単に言えばトランペットが少し太ったみたいな…(笑)。その分、音色も丸いです。言葉で説明するより、音を聞いていただいたほうが早いですね」


 共演曲として演奏されたのは、「The Days Of Wine And Roses 〜酒とバラの日々」です。映画の主題歌からジャズのスタンダード・ナンバーになった曲はたくさんありますが、この曲もそうで、作曲者ヘンリー・マンシーニならではの美しいメロディー・ラインで知られています。
 テーマの演奏に続いてフリューゲル・ホーンのソロが始まりましたが、ソフトで優しく、耳元で心地よく語り掛けるような音色は、楽器の特性だけでなく、TOKUさんの人柄がそのまま音になったようです。



 トリオに戻って、ピアノがゆったりしたテンポで、おだやかな春の海の波打ち際のようにイントロを奏で始めました。ベースによってテーマ演奏が始まった曲は「浜辺の歌」。多くの日本人の心に“ふるさと”を感じさせるこの曲は、会場に静かに広がり、生まれ育った郷土への愛着を思い起こさせてくれました。



 プログラムの最後は「Take The “A” Train 〜A列車で行こう」です。軽快で歌うように演奏されたピアノ・ソロに続いて、ベース・ソロになると、池田さんはベースとヴォイス(声)とで、ユニゾン(同じメロディーを同時に)演奏で盛り上げました。




 第1部の演奏が終わってトリオのメンバーが下手に下がった後、会場のアンコールを求める拍手に応えて、再び登場。ピアノのゆったりしたイントロに続いて、池田さんがピアニカで「上を向いて歩こう」のメロディーを吹き始めました。世代を超えて親しまれているこの曲は、一人ひとりに様々な思いをいだかせながら、第1部を締めくくりました。



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