場所:オーバード・ホール

写真提供:田中広告写真



第2部

TOKU Group


【曲目】

「A Whole New Life(ア・ホール・ニュー・ライフ)」
「Rock With You」
「Tight(タイト)」
「She」
「Fly Me To The Moon」
「Again」
「Part Time Lover」
「Overjoyed(オーバー・ジョイド)」
「My Cherie Amour(マイ・シェリー・アムール)」
「Nostalgikos(ノスタルジコス)」
「Kiss of Life」

【アンコール曲】
「Our Love Story」
「Smile 〜スマイル」

 司会者から招き入れられると、メンバーの皆さんはアカペラ・コーラスで歌いながらの登場です。それがそのまま1曲目「A Whole New Life(ア・ホール・ニュー・ライフ)」のイントロになり、曲の演奏に流れ込んでいきました。TOKUさんのひとつ前のアルバム『Love Again』(2008年)の1曲目に収録されている曲。曲の最後のほうでは、TOKUさんから「一緒に歌いましょう」とのお誘いで、繰り返しパターンの部分をステージと客席がひとつになって場内に歌声を響かせました。


 1曲目が終わると、TOKUさんからご挨拶。「富山は何度か来ていますが、私の出身の新潟とはまた違って、ゆったりした雰囲気の中に活気を感じます。」と富山の印象。続いてTOKUさんからメンバーの紹介です。「今日は私以外は全員、1980年以降の生まれの、若手実力者ばかりです。」


ピアノ&キーボード:柴田敏孝さん

ベース:楠井五月さん

ギター:吉田サトシさん

ドラムス:福森康さん



 2曲目は、マイケル・ジャクソンのナンバーのカバーで「Rock With You」。ピアノの柴田さんはキーボードにチェンジし、TOKUさんのヴォーカルにサウンドが寄り添うように、ロック・テイストに盛り上げました。



 3曲目はアドリブ・スキャットの名手として有名な女性ジャズ・ヴォーカリスト、ベティ・カーターさんの曲で「Tight(タイト)」。自由にスキャットを操ったベティさんの曲だけに、TOKUさんも途中、即興のスキャットでブルース・フィーリングいっぱいに歌います。また曲の途中でブレイクさせ(一旦止めて)、メンバーとの呼吸を合わせての掛け合いも楽しそう。



 4ビートでスイングした「Tight」に続いて、4曲目は美しいバラード・ナンバー「She」です。TOKUさんのアルバム『Chemistry Of Love』(2002年)にも『Love Again』(2008年)にも収録されている、思い入れのある曲。日本ではTOKUさんのバージョンでテレビCMでも流れ、すっかりおなじみです。フランスのシャンソン歌手・俳優のシャルル・アズナブールが書き、映画「ノッティング・ヒルの恋人」でエルヴィス・コステロが歌って世界的に有名になりましたが、映画のワンシーンを思い描かせるかのように、TOKUさんの歌声が心に染みました。


 ここでTOKUさんから「ベースの楠井君をフィーチャーしてスタンダード・ナンバーを1曲」との紹介で、デュオで演奏されたのは「Fly Me To The Moon」です。やさしくかつ自由奔放なスキャットで、楽器のようにアドリブ・フレーズを駆使したTOKUさんのヴォーカルを、楠井さんのベースがしっかりとサポートし、また挑むかのように歌います。途中のベース・ソロでも、歌心いっぱいに力強くスイングする演奏で、圧巻でした。


 再びクインテットで6曲目に演奏されたのはTOKUさんのオリジナル曲でバラード・ナンバー「Again」です。ここではメンバーの皆さんによるバック・コーラスのアレンジが付き、TOKUさんのヴォーカルと一緒になって厚みのあるサウンドが響きます。




 ここでTOKUさんから、当日の3日前に発売になったアルバム『TOKU sings & Plays STEVIE WONDER』の紹介がありました。これまでのアルバムと違って特定の一人、スティービー・ワンダーの曲だけをカバーして作ったアルバムとのこと。実は企画の段階で、ちょうどデビュー10周年にもあたるので、ホーム・ページ上でリクエスト曲を募集したそうですが、小学生時代からの思い入れから、リクエストにもたくさんあった、スティービー・ワンダーの曲に絞って選曲したのだそうで、その中から数曲、演奏しますとのこと。実は、このアルバム発売以後、ライブでは初のお披露目だそうです。


 アルバム『TOKU sings & Plays STEVIE WONDER』より「Part Time Lover」「Overjoyed(オーバー・ジョイド)」「My Cherie Amour(マイ・シェリー・アムール)」の3曲が続けて演奏されました。TOKUさんが小学生時代に初めてスティービー・ワンダーの歌声を聴いて感銘を受け、ジャズを始めてからもずっと憧れの存在だ、とおっしゃるだけに、静かにたぎる思いの伝わる演奏でした。


 ここでTOKUさんから「ドラムの福森君をフィーチャーして、一つ前のアルバムの中から1曲演奏します」との紹介で演奏されたのは「Nostalgikos(ノスタルジコス)」。軽快で細やかなビートで、あざやかなテクニックと歌心いっぱいのドラム・ワークが会場いっぱいに響きました。


 プログラムの最後の曲は、メンバーによるバック・コーラス付きの「Kiss Of Life」。この演奏に載せながら、TOKUさんから再び、メンバーのご紹介があり、会場からの惜しみない拍手のうちに、演奏が締めくくられましたが、会場からはアンコールをもとめる掛け声と手拍子が止みません。一旦は袖に下がったTOKUグループの皆さんでしたが、これに応えて、再び登場。


 TOKUさんから思わず「富山はあついね〜!今日の演奏は、みなさんのご期待にお応えできていますか?」との問いかけには、会場からは一層大きな拍手が起こり、アンコール曲として、TOKUさんのアルバム『Love Again』の中に収録されている「Our Love Storyをやってください!」の声。これにはTOKUさんも「おッ、うれしいねぇ〜」と感激。「じゃあ、予定になかったけどやっちゃお」とスタート。この曲の最後には、スキャットで繰り返しの部分があり、TOKUさんは会場に「一緒に歌おう」と呼びかけ、会場には歌声と手拍子が響き渡りました。



 大盛り上がりで「Our Love Story」の演奏を終え、一息ついたところで、TOKUさんのヴォーカルだけで、チャップリンが書いた「Smile 〜スマイル」のメロディーが流れ始めました。バック・メンバーによる演奏が途中から合流し、静かに、でも熱い思いが会場に広がっていきます。曲の終わりに近づいたところで、TOKUさんは「みんなも一緒にスマイルをうたおう」と呼びかけ、メロディーにのせて「〜♪Smile〜」の大合唱が起こり、一人ひとりの心の中に、様々な思いの「Smile」があふれました。



ページトップへ ▲


終演後へ


 リハーサル・開演前 / 第1部 / 第2部 / 終演後