立春を過ぎると暦の上では春ですが、まだまだ寒い冬が続きます。
　でも私は、自分のおじいちゃんやおばあちゃんと過ごしている時には、心がぽかぽかするような温かい時間を過ごすことができます。結婚してからは、離れて暮らす二人の家にあまり行けなくなりましたが、それでも月に一度は顔を見に行って、何時間も話をしてきます。

　「いらっしゃい、待っていたよ。」
　いつ行っても、柔らかい声と嬉しそうな笑顔で迎えてくれる二人に、心がほっとやすらぎます。そして、また元気でいてくれた、とこちらも嬉しくなるのです。
　二人と話していると時間のたつのも忘れてしまうほど。最近あったことや、楽しかったこと、悩んでいることなど、なんでも聞いてくれます。優しい二人の笑顔が見たくて、何かあると、ついつい足が向いてしまいます。

花の姿と香り…そして笑顔

　おじいちゃんは自慢の庭を持っています。今の時期は椿が見ごろだとか、元気に育つ為には剪定する時期は大切だとか、いろいろな事を教えてくれるので、庭を見ながら話をするのが大好きです。普段は何気なく通り過ぎてしまいがちな街角でも、ふと季節の木や花を見たり、香りを嗅ぐと、祖父母の事が思い浮かび、今おじいちゃんの庭はどうなっているのだろうか、会いに行きたいなと考えたりもします。
　二人がいつまでも元気でいてくれることを願っています。二人とも甘いものが大好き。暖かくなるころに、ケーキなど甘いものを手土産に持って、また二人の顔を見に行きたいです。