6月10日「路面電車の日」
製造部圧延課 ハンドルネーム アイトラム(20代・男性)
平成7年6月10日に「路面電車の日」という記念日が制定されたそうだ。最近では、路面電車は環境に優しい交通手段として見直され始めている。乗客一人当たりの二酸化炭素排出量が、タクシーの10分の1、自家用車の6分の1、バスの4分の1まで少ないらしい。環境的に負荷の少ない街づくりを目指すドイツでは、路線網の規模も大きく、路面電車を活用し、都市の中心部に入る車を少なくしているという。そのおかげで街の中心部が活気を取り戻してきているようだ。昨今では、中心街よりも郊外に出かけるケースも増えているので、富山県、いえ日本中でも、もっと見直されていくべきだと思う。 時々は利用してみよう 路面電車に乗って出かけた思い出がたくさんある。路面電車といって思い浮かぶのは、射水市の越ノ潟から高岡駅前までを結ぶ「万葉線」だ。ちなみに、名称の由来は、かつて越中国守として高岡の伏木に赴任した大伴家持が、万葉集を編集し、多くの歌を残したことにちなんで付けられたそうだ。歴史を感じる名前である。 私は小さい頃、よく万葉線を利用してショッピングセンターに買い物に行ったり、海王丸パークに行って遊んだりした。中学時代には、部活動で高岡方面へ試合に行く際によく利用し、メンバーと試合前のイメージトレーニングをした。帰りの車内は試合結果によってはどんよりとした雰囲気になることもあったが、試合の反省をしたことや疲れて昏々と熟睡した事も、今ではいい思い出である。 また、高校時代には、通学に毎日利用していた。テスト期間中は課題に追われて一生懸命勉強する人、部活動などで疲れ果てて寝ている人など様々で、各々が電車の中で好きな事をして過ごしていた。たった数十分の間だが、やらなければいけないことや、やりたいことを有意義にできる時間だったように思う。 車に乗るようになってからは、電車を使うことはほとんどなくなったが、たまに路面電車に乗ると、学生時代や小さい頃に乗って経験した思い出がなつかしく蘇る。環境の事も考えて、今後も路面電車を利用できる時は利用していきたいと思う。
■富山の路面電車 日本中に数多くあった路面電車は、バスや地下鉄への転換や自動車激増などによる理由で、相次いで廃線になっていき、現在は20を数えるほどしか残っていない。(国土交通省HP参照) 富山県には、富山市内を走る「富山地方鉄道」と「富山ライトレール」、射水市内から高岡駅を結ぶ「万葉線」が存在する。日本で最も早くLRT(次世代型路面電車システム)を取り入れたのは富山県である。