一方、言語を学ぶことにとどまらない楽しさもある。日本とは異なる海外の文化・考え方に触れられることだ。教室に行くと、よく先生や受付スタッフから第一声で褒め言葉をもらう。「その靴かわいいね」「今日のファッション素敵!」など、持ち物や服装に関することで声をかけてもらう。最初は気恥ずかしく、どう反応してよいかわからなかったが、段々とそれは一つの文化なのだとわかってきた。相手とのコミュニケーションの第一歩として、気軽に、率直に相手を褒める。それに気付いてから、自分も相手を褒めることを心がけるようになった。
“I like your skirt.”(あなたのスカート好き)
“Your hairstyle is really nice! ”(その髪型素敵だね)
など、「いいな」と思ったものに対して素直に“I like it! ”と気持ちを口にして相手に伝えるようにしている。ちなみに褒められたときは、日本のように「そんなことないよ」と謙遜するより、素直に“Thank you.”と言うのが良いようだ。
好きなフレーズがある。
“It’s my pleasure.”(どういたしまして)直訳すると、「それは私の喜びです」という意味になる。たとえば、困っている人の手助けをしたとする。
“Thank you.”(ありがとう)
“It’s my pleasure.”(どういたしまして(あなたの手助けができて嬉しいです))
「どういたしまして」といえば“You’re welcome.”という表現が馴染み深いが、“It’s my pleasure.”という言葉もしばしば使われるようだ。自分がお礼を言われる立場であっても、相手の役に立てたことを喜ぶ表現を返す。日本ではあまり使われない表現だが、初めてこの意味を知ったとき、とても素敵な言葉だと感じた。「相手の助けになれることを嬉しく思う」こんな気持ちで人と接することができたら良いと思う。
外国の文化や言語に触れることで、自分の中に新しい考え方が吸収されていくことが楽しい。それが英会話を楽しく続けられる理由の一つだ。