卒業式
製造部圧延課 ハンドルネーム:リクセイ(10代・男性)
私は、昨年の3月に高岡工芸高等学校を卒業しました。 卒業式当日は、新しい道へ進む同級生達は勿論、学校に残る後輩、先生方と写真を撮ったり、思い出話で盛り上がったりと有意義な時間を過ごしました。 しかし、卒業式当日まで、3年生はやることが多かった為“卒業する”という実感は全くなく、友人と「卒業って感じせんよね。」「来週も学校に来てそうやな。」と、笑いながら話をしていました。卒業式の朝も、当たり前のように友達と電車に乗り、普段通り駅から歩いて学校に向かいました。卒業式までの待ち時間も特別なことはなく、普段通り友達とくだらない話で盛り上がっていました。 色々な感情が交差する ところが、式が始まりクラス代表生徒が全員分の卒業証書を受け取った瞬間、今まで感じたことのない緊張感で、ドキドキして止まらなくなったのです。卒業式の練習では少しも感じることがなかった不思議な感覚でした。卒業式終了後クラスに戻り、最後のホームルームでは、担任の先生やクラスメイト全員が一言ずつメッセージを送り合いました。その後はクラスや部活、仲の良かった人と写真を撮ったり思い出話で盛り上がったりと、楽しく過ごしましたが、その間もずっと緊張したままで、今日という日は二度と戻らないことを痛感しました。私は後から後悔しないようにと、できるだけ多くの人と話をし写真を撮りました。 その日の夜、クラスメイトでご飯を食べに行きましたが、卒業式の時に感じた緊張感は消えていました。数時間前とは裏腹に清々しい気分だったのですが、就職や将来についての不安や心配もありました。友達もそうだったと思います。その気持ちを払拭するかのように、いつも通りくだらない話で盛り上がり、その日撮った写真を見返したり、高校3年間を振り返って笑い合ったりしました。 卒業式の日のことは、今でも鮮明に覚えています。今振り返ると、卒業式当日に感じた不思議な緊張感は、“高校を卒業する”ことの本当の意味を味わう為のものなのかもしれないと感じています。前日や後日ではなく、その日でないと感じることのできないものであり、だからこそ記憶に深く刻まれるのではないかと…。そして、高校生活を楽しみ、有意義に過ごすことが出来たからなのだと、とても嬉しく思っています。 友達と写真を撮ったことも、思い出話で盛り上がったことも、不思議な緊張感も含め、卒業式の日そのものが私の思い出です。