朝乃山関 5月場所優勝
営業部営業一課 目澤康之(40代・男性)
最近、富山出身のアスリートが世間の話題となっています。プロバスケットボールのNBAでドラフト9位指名された八村塁選手。そして5月場所で大相撲幕内優勝を果たした朝乃山関。NBAからドラフト指名されることは史上初、富山県出身力士が幕内優勝は103年振りです。スポーツを通して富山が世界や全国から注目されることが非常に嬉しく思います。 謙虚さと素質と努力の賜物 大学生の時に四年間相撲部で活動していた私ですが、朝乃山関とは年齢が離れているので全く接点はありません。しかし、朝乃山関の富山商業高校時代の恩師である、故)浦山英樹氏とは年齢が近く、かつて私が相撲を教えた子どもも浦山君に指導してもらったことで多少の縁があります。相撲という同じ世界を経験した「仲間意識」で、私の思いを書かせていただきます。 若くして亡くなった浦山君から朝乃山関は、「いつか富山のスーパースターになりなさい。スーパースターになれる人間は一握りだが、君にはその素質がある。」との遺言を受け取ったそうです。その言葉を胸に、朝乃山関はこれまで努力を積み重ねてきたものだと思います。この度の幕内優勝で朝乃山関が、富山のスターになったことは言うまでもないと思いますが、浦山君が言うスーパースターとはそれだけに留まらずに横綱を目指すことにあると思います。 上位力士の胸を借りて 私は、朝乃山関が更に高みを目指していくためには3つのことが必要だと思っています。 まずはこれ以上体重を増やすことなく足腰の強化に努めること。現在朝乃山関の体格は、身長187cm、体重177kg。体格としては今のままで十分ですが、上位力士や外国出身力士と対戦する際、体重を増やして力負けしないようにと考えがちです。しかし、無理な体重増加で、機敏な動きができなくなり失敗した力士は多く、それよりは現在の体格を維持したまま足腰を強化して押し負けない力をつけた方がよいと思います。 次に四つ相撲(まわしを取り、組み合って行う相撲)に磨きをかけること。朝乃山関が勝ったこれまでの決まり手で、寄り切りは4割程です。これは朝乃山関が得意とする四つ相撲で勝ったことを意味します。ただ朝乃山関よりも背中(体格の)の大きな力士とまともに組み合った場合、背中の大きさ=筋肉量の多さですからどうしても不利になります。そこで相手に十分な力を発揮させないような組み手で組むことが必要になります。 そして最後に相撲に精進する気迫です。テレビから見られる朝乃山関からは人の良さは滲み溢れて見えますが、これからは鬼気迫るような気迫をもっと発揮する必要があると思われます。 次の名古屋場所では前頭筆頭となり横綱や上位力士と対戦する機会が増えます。ひょっとしたら打ちのめされるかもしれませんが、諦めることなく前進してくれることと信じています。朝乃山関がスーパースターになれることを、地元富山から願っています。