これまでの人生において、いろいろなことにハマり、チャレンジしてきた。高校生時代には陸上競技と月並みなバンド、大学時代は先輩にさそわれラグビー、大学時代から社会人にかけては、ラフロードや林道を駆け抜けタイムを競うラリー競技など。まぁ、いろいろやってきたが、思い出せば、いかに自分がマニアックであったことか…。楽しかったことや苦しかったことが、自分自身の糧となっているのだろうか。
　いろいろやってきた中で、今でも続いているのは“アマチュア無線”だと言える。小学校４年生の頃、どうしても電波を出してみたく、本を見て送信機を自作しようと、部品集めの為に初めてラジオ解体したことが、アマチュア無線の世界の扉を開くきっかけとなっている。高岡から九州・北海道まで電波が届くという事の不思議、自分で作った受信機・送信機でも通信が出来ることに魅力を感じのめりこんでいった。

地域に根付いたネットワークの構築を

　その後、東京に就職して定住した横浜市戸塚区にて、横浜市公認ボランティア団体：横浜市非常通信協力会戸塚支部“戸塚アマチュア無線クラブ（昭和47年飛鳥田横浜市長の命により、横浜市18区すべてに設置）”に入会することとなり、アマチュア無線との付き合い方が大きく変化することになっていった。横浜市非常通信協力会は、災害発生時に横浜市役所〜各区役所〜各区内の防災拠点間の通信ネットワーク構築を目的としたボランティア団体である。「いざという時には、携帯や有線電話は使えない。そんな環境下では、アマチュア無線が通信補助の役割を担うことになる」。みなさんもご存じの通り、関東ではたびたび地震があり、私も横浜市在住時に3.11をはじめ震度5を超える地震を何度か経験している。また近い将来、東南海地震が到来するとも言われている。
実は、私は親父が亡くなり高岡に帰るまで、ここでクラブの会長（戸塚区支部長）を務めており、「とつか絆・草の根ネットワーク＝安心・安全を無線通信でつなぎます」をテーマに、アマチュア無線の技術を通して多くの活動を行っていた。今回は、その中の一つを話したいと思う。

病院間通信訓練の実施と地元コミュニティFMでの広報

　医療機関の災害時初期通信インフラの確保として、簡易無線及びアマチュア無線の有効性・問題点の実証的確認と訓練、及び通信確保の重要性認識の再確認を行い、その模様をコミュニティFM局の協力を得て、区民広報を行った。
　非常時における病院間通信のテストケースとして、医師会協力の元、総合保健センターをキー局として、３箇所の病院・診療所から大規模病院への患者搬送などを想定した通信訓練で、メディアを通して災害時における通信確保の重要性と必要性をPRした。
　懸念される災害が起こった場合、地域防災拠点と医療拠点が立ち上がり、市民の安全と生命を守ることとなっている。初動モデルケースとして実施した内容は想定通りではあったが、設置場所や情報通信の確保準備状況おいて課題も見え、検討考慮しながら今後につなげていくこととなった。近接する防災ボランティア団体とのルール付け、通信技術の確保、災害時の混乱を避けること、データーベースの作成など、課題はまだまだ多い。

　少し、難しい話となってしまったが、公共の財産である電波で遊ばせて頂いているアマチュア無線、その中で生かされていることに少しでも恩返しすることと共に、子供たちに通信や電波をより身近に感じてもらい、これをベースにいろんなことに感心を持ってもらいたいと思っている。その為に、今後もアマチュア無線をベースに、高岡市でも地元に根付いた防災ネットワーク構築やコミュニティ活動を進め、貢献して行きたいと思っている。