9月23日「海王星の日」
情報システム部 フェストゥーン(50代・男性)
海王星は、1846年9月23日にベルリン天文台のヨハン.ゴットフリート.ガレ(1812〜1910年)によって発見されました。冥王星が、2006年8月に開かれた「国際天文学連合 (IAU) 総会」で「準惑星」と分類された事で、海王星は現在太陽系の最も外側の「惑星」と定義されています。【水・金・地・火・木・土・天・海・(冥)】 毎夜、専用ドームに入りびたり 「惑星」つながりの話になりますが、私は大学時代に「天文サークル」に所属し、惑星(観測)班に席を置いておりました。夕方にラーメン屋のアルバイトをし、終わってから毎夜(?)「木星の観測をする」という口実で部室に入り浸り、今考えると何をしていたのか…。おかげで昼の授業の出席が疎かになり、危うく留年しそうにもなりました。 もちろん観測も行います。学生会館の屋上には、天文部専用のドームがありました。そこには、当時の大学天文連盟で最大口径を誇る(直径)21cmの反射望遠鏡が設置されていました。 観測のやり方を一言で言うと、「望遠鏡を覗いて、見えた木星の表面の模様を、専用の用紙にスケッチする。」というものです。木星の自転周期は約10時間です。ひと晩で全周を見る事は難しいのですが、翌晩には昨夜見る事が出来なかった面を見る事が出来ます。北半球と南半球には、ほぼ対称に数本の縞模様があり、有名な大赤斑や白斑、フェストゥーン(festoon)(※)などの模様があります。これらの記録を累積し分析する事で、模様の色や大きさの変化、ジェットストリームのスピードなどが分かります。当時は、大赤斑の色が薄く、その名前に反して白かった事が驚きでした。 スケッチは簡単そうに聞こえるかもしれませんが、初心者には中々できません。まず、望遠鏡を覗いても模様が見えません。視力の良し悪しには関係なく、微妙な色の濃淡の変化を視神経が感知できるか否かにかかっている様です。慣れる(望遠鏡を覗いて訓練する)しかありません。数か月でそれらしい縞模様がスケッチできるようになります。今のやり方は知らないのですが、デジタルカメラなどで撮影し、コンピュータで画像解析をするのでしょうか。 喧噪な街から隔離されたドームで一人、目を凝らして7億5千万km先の木星に思いをはせていた頃を懐かしく思い出します。 (※)大赤斑とは、木星に存在する巨大な楕円形の渦。 白斑とは、木星の表面に見える円形をした模様。 フェストゥーン(festoon)とは、赤道帯に見られる黒い模様。