天体撮影
研究開発部 Nova(60代・男性)
皆さんは夜に空を見上げていますか? 私の趣味のひとつは天体撮影です。前の勤務地では、暗い夜空を求めて県境の山々へ数時間の移動を行っていました。真っ暗なところは意外と少なく、山奥にも人家と明かりが見られたので、撮影地を探すのが大変でした。 候補地は、県境の山や内陸部の高山の中腹で、まず、月明かりのない時間帯を求め、雲の動きを予測する予報でその時間に晴れそうな場所を選び、数十キロの重量物を車に積んで片道2時間ぐらい走ります。現地では、望遠鏡の組み立て設置や天の北極に向けた極軸合わせ、赤道儀座標の初期化、撮影視野決定、ピント合わせ等を行い、一天体につき星の動きを追尾しながら数分の露出を数十回繰り返します。従って、一晩に撮影できる天体はそれほど多く有りません。帰宅すれば、ノイズを低減しコントラストを上げるための画像処理を行います。 デジタルカメラの進歩と画像処理技術の発展で、我々でも専門家に近づくような写真が撮れるようになりました。 苦労の中にも充実感が 山奥で一人の撮影なので熊対策は必須ですが、侵入者はこちら側なので、熊さんに迷惑が掛からないように注意しています。真っ暗な中、行き止まりの狭い道をバックで戻ったことが何度もあります。また、組み立て調整まで行っても、急激な雲の流れで撮影できずに戻ったことも多々ありました。昨年は、火星の接近を暫くぶりで観察した際に自分の視力の衰えにイライラし、望遠鏡の接眼部で目を出血させたこともありましたが、一方で、3年前には木曽駒ヶ岳の頂上まで撮影機材を担いで登り、美しい星空を撮影することが出来ました。 富山でもぜひ撮影に行きたいと考えていますが、天候の悪い日が多く、実現出来ていません。まずはいろいろな撮影候補地の下見をしているところです。