越中八尾のおわらに想う
原料部資材課 ハンドルネーム 風舞(女性)
今年は、新型コロナウイルスのために大変な年になりましたね。新型コロナウイルスは私の楽しみをたくさん奪いました。なかでも、一番ショックだったのが、”風の盆”の中止でした。いろんな行事が中止されている中、おわらも中止になるかも…と覚悟はしていたものの、発表された時は、やはりショックでした。生まれてから今まで、私が祭りに参加しなかったことはあっても、お祭りがなくなったことはありません。 私達、地方(じかた※)は来年があるからいいものの、25歳という年齢制限がある踊り子は可哀そうです。中止によって一年延期になるかもしれませんが、寿引退する子も中にはいるかもしれません。あと、お年寄りは、毎年、毎年「ああ、今年もおわら聞けてよかった」と言われます。私たちもそうですが、来年は“どうなるかわからない”という気持ちが強いようです
泣くなコオロギ…
昔は、観光客が来るのは、1日、2日が多くて、 3日目になるとまばらでしたので、3日目は自分達だけの楽しむおわらでした。それがテレビで3日目がいいと放送されてからは連日、多くの人が訪れるようになりました。中止になった今年は、昔にかえって観光客のいない、自分達だけの楽しむ風の盆にすればいいと、誰もが思っていたと思うのですが、それもまた、ストップをかけられてしまいました。このまま泣き寝入りをするのか…。みんなそれぞれのやり切れない想いを抱えていると思われます。 今年の風の盆、深夜、路地裏のどこからか虫の音とともに 「♪泣くな~コオロギ さみしゅうてならぬ お前一人のオワラ秋じゃない♪」 オワラバカがほら、あそこにも、ここにも、そこにも、いるかもしれませんよ…。
〽浮いたか瓢箪 かるそうに流れる 行くさきゃしらねどあの身になりたや
※地方(じかた)… 踊りの伴奏をする演奏者たちを指します。 おわらの地方は、唄い方、囃し方、三味線、胡弓、太鼓で 構成されています。