9月24日「みどりの窓口の日」
技術部技術課 ハンドルネーム 週末ハイカー(20代・男性)
9月24日はみどりの窓口の日。JRの列車を使って遠くに行くとき、特急券や指定席券を購入するあの窓口だ。旧国鉄時代の昭和40年9月24日、指定席券の販売をオンラインによるシステムに切り替え、全国の主要駅に窓口が設置されたことから制定されたらしい。幼いころから旅行が大好きだった私にとって、みどりの窓口は身近であり、ワクワクする場所。特に夏休みなどの長期休暇中に発売される“青春18きっぷ”はよく利用していたので、毎シーズン窓口へ行って、購入していた思い出がある。
駅弁、出逢い… 旅の醍醐味
青春18きっぷとは、格安で全国のJR線の普通・快速列車の自由席が乗り放題になるきっぷだ。お金がなく、時間があった学生時代は、分厚い時刻表を片手に、よく関東方面へ出かけていた。通勤客に紛れ北陸本線の始発に乗り、日本海を眺めながら直江津まで。直江津からは、通学する高校生に混ざって長岡まで、長岡からは緑に囲まれた上越線の景観を楽しみつつ高崎へ。高崎からは徐々に背が高くなる建物を見上げて都心まで、といった具合だ。 長い旅の移動中は列車に揺られ、車窓を眺めているだけではない。途中の停車駅で調達した駅弁を車内で堪能したり、車内で出会った私と同じような旅をする“青春18きっぱー”と、どこから来たのか、どこへ行くのか、そんな話をするのも楽しみだったりした。突然思い立って、目的地さえ変えることもある自由な旅だ。時間を忘れて、目的地ではなく移動を楽しむ、ちょっと変わったスタイルで学生時代はよく旅行をしていた。
どんどん便利に「味気ない…」
しかし、北陸新幹線が開業してから、並行在来線である北陸本線はJRから第三セクターの路線となったことで、地元の駅からは青春18きっぷが使えなくなり、駅のみどりの窓口も閉鎖されてしまった。またキャッシュレス、チケットレスの時代の流れからか、全国各地のみどりの窓口の多くが閉鎖されるそう。今後は、インターネットからご自分で列車を予約してください、紙のきっぷの代わりはスマートフォンで。ということらしい。多くの人にとって便利なのは間違いないが、わざわざ窓口まできっぷを買いに行き、旅に出かける前から胸を高鳴らせ、駅員さんにきっぷを“切って”もらっていた私にとっては、どうしても味気なく感じてしまう。 社会人になってからは、当然そんな旅をする時間の余裕はあるわけがなく、新型コロナウイルスの流行の影響で、列車に乗ることさえ控えたほうがいい状況になってしまった。列車内で出会った初対面の人と、会話を交わすことなんてもってのほかだろう。いつかまた心穏やかに、時間を忘れた自由な列車旅ができるようになるといいな、と思う。