新年号 特別企画 3

2013年 心に残る写真
マイ ベスト メモリーズ'13

 2013年も月刊OTANIでは、写真サークルの会員様から出品されたお写真の中から、多くのMVPをご紹介しました。惜しくもMVPから漏れた作品の中から、写真サークル講師の青山清寛先生より、意外性や、思いが伝わる作品、心に留めておきたい作品など、いろいろな観点で良さが光る作品をご紹介します。

本年も写真サークルの皆様には、良い作品が残せるよう、ご健勝をお祈りいたします。

小倉博之
「さばかれて」



 朝日をバックに、美味しそうに干されているイカの一夜干しを写した作品。逆光が透明感をもたらして、アンバー色が食欲をそそります。奥の方にも何層もあって「イカの総帆展帆」とも見えるフレーミングが面白いですね。着眼が良いです。

 

水野高嗣
「鳥の足」



白いキャンバスに描かれた抽象画のようなフレーミング。雪の朝なのでしょうか、鳥が雪に残した足跡を一つの模様と感じて、思わずシャッターを切った、という作品です。2羽の足跡が同じ方向に進んでいるのもツガイを思わせて、なんとなく微笑ましく感じます。


村岡祐二
「ひまわり」



パッと見、なんだろう?という意外性。花を逆光で撮ると、本当は露出補正したいところですが、インパクトを優先した、と思われます。ひまわりとは思えない濃いエンジ色と背景の青空とのコントラストが、美しい影絵を見るようで、印象的です。


村中美紀子
「さくら」



画面いっぱいに写し込んだフレーミングで、迫力、ボリューム感が出ました。桜の時期とすると若干遅くて、葉桜になり始めていますが、花の勢いがまだまだ盛んで、陽射しが少し逆光気味なので立体感が出ています。順光であれば薄い感じになりますが、光の方向をうまく判断しました。


中村俊佐
「お正月」



お正月に家族が一堂に会した様子を玄関の靴で表しています。典型的な日本のお正月を象徴しています。家族団らんを変化球で表現していて、奥の居間の楽しく賑やかな様子が聞こえてくるようです。靴の種類をよく見ると、活発な子供が履くスポーティな靴から、奥の方のステッキではお年寄りまで、三世代、四世代にわたる家族の団欒が思い浮かびます。


土合聡史
「ポッキー」



写真に対する遊び心を感じる作品。一言で写真といっても様々なアプローチがあり、自分なりにいろいろテクニックを試して見た、遊んでみた、ということなのでしょう。左の人にかぶりものまでかぶせていて、写すまでの過程も楽しんでいる様子が伝わります。


湯浅彰夫
「かえる」



まず「よく見つけたな」との作者の着眼の良さを感じますが、同時にカエルに対して作者が感じた「愛おしさ」が見るものに伝わる作品。庭の「獅子おどし」の竹筒ですが、「どうしてここに入ったの?居心地はどう?」と、作者と一緒に、気持ちがカエルに寄り添ってしまいます。


白山卓朗
「雨上がり」



鏡のような水面に映った、綺麗な青空によって、ようやく上がった雨の清々しさを感じさせる作品。何気ない身の回りの風景で、自分の気持ちを表現するという、作者の感性と表現力が感じられます。インパクトのある対象や、美しい風景だけではなく、モチーフを見つけ出す「着眼、視点」がよいですね




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