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身近でありふれた存在でありながら、意外に知られていない「鉄」の素顔。
知ってトクする、鉄にまつわるエトセトラをお届けします。 |
2024年4月更新 |
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1. 1600億トンの貴重な資源 |
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鉄は、地球の重さの34.6%を占めていますが、そのうち、技術的・経済的に採掘可能とされる鉄鉱石は約1600億トンに過ぎません。かりに、現在のペースで鉄を使い続けると、鉄づくりの原料となる鉄鉱石は、あと70年で掘りつくされることになります。貴重な資源である鉄をこれからも守っていくために、リサイクルの取り組みが求められています。 |
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2. 生まれ続ける鉄資源4000万トン |
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1年間に8700万トンの鉄を生産する日本は、中国、インドに続いて世界第3位の鉄づくり大国です。鉄づくりの原料のひとつが鉄鉱石。日本は、年間1億200万トンの鉄鉱石を海外から輸入しています。鉄鉱石のほか、国内で毎年4000万トン以上発生する鉄スクラップもまた、鉄づくりの重要な原料――新しく生まれ続けている重要な鉄資源です。 |
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3. 日本の鉄の4分の1はリサイクル |
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鉄づくりの方法には、鉄鉱石を原料とする高炉法と鉄スクラップを原料とする電炉法の2種類があります。電気炉を使って鉄スクラップを溶かし、鋼材をつくりだすのが電炉法で、この方法で生産される鉄は、年間約2300万トン。日本で1年間に生産される8700万トンの鉄の、4分の1はリサイクルから生まれています。 |
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4. 日本列島は14億トンの鉄鉱山 |
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日本国内で使用され、何らかの形で国内に存在している鉄は14億トンにも上ります。これは、世界で採掘可能とされている鉄鉱石埋蔵量の0.9%にあたり、世界の鉄の消費量の1年分を上回る量となっています。国内の鉄をすべてリサイクル資源と考えれば、日本は、世界有数の鉄資源国と言うことができます。 |
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5. 社会をめぐる2600万トン |
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1年間に約4000万トン発生する鉄スクラップのうち、ものづくりの工程や車や建物の解体時などに出るスクラップを「市中スクラップ」と呼びます。国内で生まれる市中スクラップは年間約2600万トン。社会のすみずみから集められた市中スクラップは、リサイクルされ、再び社会の中で活かされます。 |
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6. 鉄筋の97%は電気炉生まれ |
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ビルや橋や道路といった建造物には、鉄骨や鉄筋などの鋼材が用いられています。建設分野や土木分野で使用される鋼材は、国内で使用される鋼材の約24%にも上ります。この分野では電気炉製品の占める割合も高く、とくに鉄筋は、97%が電気炉でつくられています。 |
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7. 日本を支える680万トン |
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鉄スクラップを主原料に、電気炉でつくりだされる鋼材のうち、最も多く生産されているのが鉄筋で、年間約680万トン、リサイクル鋼材の約3分の1を占めています。鉄筋以外では、H形鋼や形鋼が建設分野で活躍中。また、最近では、自動車分野でもリサイクル鋼材が使われるようになっています。 |
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8. 東京タワーの3分の1はリサイクル鋼材 |
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日本の鉄鋼生産力がまだ低かった昭和30年代。東京タワー建設にあたって、必要となる鋼材の約3分の1が不足するという問題がおこりました。そこで注目されたのが鉄スクラップ。鉄スクラップは、1200トンの鋼材にリサイクルされ、高度成長のシンボルとして生まれ変わりました。 |
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9. まだまだ役立つ1900万トン |
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年間2600万トン回収されている市中スクラップには、工場などの加工工程で発生する約700万トンのほかに、使用済みの車や機械、建造物などの解体によって発生するスクラップ約1900万トンが含まれています。使用済みとは言っても、まだまだ役立つ大切な鉄資源。ていねいに選別されたスクラップは、電気炉で成分を調整され、新しい鋼材に生まれ変わります。 |
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10. リサイクル率92%の優等生――スチール缶 |
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スチール缶は、缶詰や飲料水の容器として年間約36万トンが国内で消費されていますが、そのうち約33万トンはスクラップとして回収され、鉄づくりの貴重な資源として活かされています。わが国のスチール缶のリサイクル率は92.7%で、世界トップクラス。人々のリサイクルへの意識が高く、全国的に分別回収が進んでいることを示しています。 |
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11. 80%の夜間電力で資源を守る |
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電気のエネルギーで鉄スクラップを溶かし、成分を調整しながら、再び社会で役立つ鋼材へとリサイクルさせるのが、電気炉を使った鉄づくり。電気炉は電気を大量に使いますが、昼間にくらべて消費量が少なくなる夜間の電力を80%以上利用することによって電力需要の平準化を図り、貴重なエネルギー資源を有効に活用しています。 |
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※記載の数値は2024年4月調査時のデータを元にしました。
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