コレに注目!
秋から冬への庭木対策
総務課 ハンドルネーム シザーハンズ
私は、造園技能検定の資格を持っている関係で、社内の樹木の管理も仕事のひとつになっています。そういう意味で、ちょうどこの時期、皆さん方の庭木対策について、少し述べてみたいと思います。 夏のきびしい暑さにも耐えた庭の木々も、ようやく鮮やかな紅葉の季節の到来です。 庭木は1年を通して規則正しいライフサイクルを毎年繰り返しながら、成長しています。8〜10月は葉っぱによる光合成でつくられた養分が、枝から幹へと送られ、幹が太く充実する時期です。庭仕事の中で「整枝・剪定」は、樹木の成長バランスと美しい樹形を保つためには大切な作業です。 また寒さ厳しい冬が訪れる前(11月)の防寒・防雪を目的にした雪吊り、雪囲いも北陸では大切な作業の一つです。金沢・兼六園などで見られる雪吊りは有名で、庭園の冬化粧の中で独特の風情をかもし出しています。(冬の兼六園、一度訪れてみてはいかがですか。感動です) さわやかな秋空の下で、あなたも庭仕事の「剪定」に挑戦してみませんか。チョットだけ基本をご紹介します。
「剪定」はなぜ必要? 1.樹木は年々成長し続けるので、枝葉が繁りすぎて樹形も乱れ、美観が悪くなります。 2.日照や通風が悪くなり、枝が枯れたり病害虫の発生の原因になります。 3.となり合った樹木の相互が日陰になり、成長の妨げになります。 「剪定の方法」 1.切りたい枝はどれ? 美観上の見苦しい枝、ほかの枝の成長を妨げる枝など、不要の枝は付け根から切り落とします。 (社)日本造園組合連合会発行『造園施工必携』251ページより 2.伸びた枝の切り方は? 樹形を縮めると同時に、切った部分から新芽を成長させ、枝を若返らせる方法(切り戻し) (社)日本造園組合連合会発行『造園施工必携』255ページより 「剪定の時期」は庭木の種類によって要注意!! 1.落葉樹 (モミジ、サクラ、ハナミズキ、ヤマボウシなど) 夏に養分を蓄え、紅葉時期も過ぎ、冬になるといっせいに葉を落として休眠状態になる12〜2月が剪定の適期です。落葉樹は幹肌が薄いので強い陽射しが当たると気が弱るので成長期(4〜8月)は不適。 2.常緑樹 (キンモクセイ、サザンカ、ツバキ、ヒイラギ、カシなど) 1年中、葉をつけて冬でも光合成し、活動しており、秋おそくから冬(11〜2月)に剪定すると風邪をひいて樹勢が弱まり、時には枯死するので要注意。(適期、3〜4月、9〜10月) 3.花木類 (ツツジ、クチナシなど) 一般に花芽が形成されてから剪定はしないことが大原則です。おおむね花の咲き終わった直後が適期。 「剪定は危険な庭仕事」安全対策は十分に! 三脚はしご、ハサミ、ノコギリを使った高所作業になるので、落下事故にならないよう、安全に十分気を配って欲しい。(自分の身を守るために…) 1. 保護具の着用は確実に…ヘルメット、安全ベルト、安全靴 2. 足場と周辺に注意…地面の傾斜、周りに人がいないか 3. 脚立による作業 ・脚立の安定を確認し、身を乗り出さず、無理な姿勢を避ける。 (不安定な場合、脚立を縄で樹木に固定する) ・昇り降りは手には何も持たず一段ずつ慎重に。 ・上段3段目以上には足を掛けない。 参考文献:NHK「趣味の園芸」2007年10月号 (社)日本造園組合連合会発行『造園施工必携』