家族の受験 − 悲喜こもごも
製品発送課 ハンドルネーム うめわさ
昨年の今頃、我が家には微妙な緊張感がただよっていました。というのも2人の息子が同時に、それぞれ大学と高校の受験を控えていたからです。 私も妻も、子どもたち二人には国公立の学校へ進学して欲しいと願っていたのですが、あまりにも受験勉強をしていない息子達に対し、「これで進学ができるのか」と、ヤキモキしていました。 私たち夫婦の願いとちがって、彼等にはそれぞれの希望があり、このことで何度か話し合いをしました。話がすれ違い、なかなか一致点が見えなくなったとき、自分が受験生だった頃のことを思い出しました。 実は私も、両親が願っていた学校とちがう学校を目指していたのです。何度かの話し合いの結果、最後に両親が私の希望を理解してくれて、私の願う学校の受験を了解してくれたことを思い出しました。 当時の自分の姿と息子達の姿がラップして、最終的には息子達の意志に従い、それぞれの希望する学校を受験することを了解しました。 「さくら散る」と「さくら咲く」 さて、いよいよそれぞれの受験当日。その日の試験を終えた息子達に会えるのがその日の夜、私が会社から帰ってからです。息子たちは帰宅してからかなり時間がたっているので、試験の出来、不出来とは別に、彼等の顔には「あー、終わったヨ」といった、ひとつ大きな山を乗り越えたという安堵感が表れていました。 合格発表の当日、私は会社でイライラ・ソワソワしながら、妻からのメールを待っていました。発表を見に行った妻から、合格であれば「さくら 咲く」、不合格であれば「さくら 散る」というメールが届くことになっています。 複数受験をしたうちの一つから「さくら 散る」というメールを受信したときは、携帯電話を地面に叩きつけたくなるような衝動にかられました。「いや、大丈夫、大丈夫。次のは大丈夫…」と自分に言い聞かせて、次の発表を待ちました。 「さくら 咲く」というメールを受けとった日は、おいしいお菓子をもらった子供のように心が躍り、ウキウキと嬉しく、仕事の合間に何度も何度もそのメールを見直したことを思い出します。 その週末、私の仕事が休みの日の夕食には、1〜2品チョッピリ豪華なおかずが並びました。 なんとか息子達は希望する学校に進学でき、今は良い思い出をたくさん作り卒業できる事を願っています。