都会での暮らし
協力会社 ハンドルネーム 木枯らし明次郎(50代・男性)
最近めっきり寒くなりました。数ヶ月前まで「暑い、暑い」と滝のような汗を流していたのが嘘のよう。お客さんの服装の変化でも「そろそろ冬も近いな」と感じます。 秋が深まり寒くなりだすと思い出すことがあります。それは、若いときに仕事の関係で埼玉県大宮市に住んでいたときのこと。県外で生活したのは、それが初めてでした。どこでもそうですが、これまでと住む環境が変わると、住み慣れるまでには時間がかかるものです。驚くことは様々ありましたが、「思いがけずびっくりした」という意味では、寒さの種類が違ったことは衝撃的でした。 ある日の夜、繁華街へ出かけたとき、洋服の袖の中まで、肌に突き刺さるような冷気が忍び込んできたことがありました。北陸住まいでは味わったことの無かった寒さ(冷たさ)でした。湿気をあまり含まない空っ風だからそう感じたのでしょうか。晴れる日が多く雪が少ない分、日常生活は楽でしたが、身にしみる寒さは辛かったです。その日の夜も、少しの時間だったにもかかわらず立っていられなかったことを今でも鮮明に覚えています。 人がいるけど、いないような感覚 関東に住むと人や車の多さにも驚きます。当時は販売業でしたから、色んな方と沢山お話しする機会があり「都会に来た」という実感もありました。けれど、都会は県外出身者が多く、なんだか雑然とした印象も受けました。大げさに言えば、“人種のるつぼ”状態。そんな中で、人がいるけれど、いないような、表現は難しいですが、一種の孤独を感じずには居られませんでした。 都会で暮らしていた県外出身者の中には、生まれ育ったところで就職し、家族と近いところで生活して、人生を送りたいと思っていた方が多かったように思います。 富山県は先人達のおかげで産業が発達し、地元で働ける環境ができていると思います。私たちはこの環境で暮らしていけることを当たり前と思わず、先人への感謝の思いを忘れずに生活していかなければならないと思います。