4月6日 「城の日」
総務部 ハンドルネーム 城い恋人(40代・男性)
皆さんは、「お城」という言葉を聞いて、どのように感じますか? 私は、青空に突き出すようにそびえたつ天守閣、満開の桜に囲まれる櫓(やぐら)やお堀の姿、どうやって運び積み上げたのだろうと感心してしまう程の高い石垣等々を見るだけで、いえ思い出すだけで、気持ちが高揚し、日本人としての琴線に触れるというか、日本人に生まれてよかったと思うのです。ですが、実は私の場合、城や石垣、堀がなくてもいいのです。 独身時代は、図書館などを利用し、廃された城跡情報を仕入れ、その痕跡を探し歩いていました。資料や書籍をもとに山道を歩いていると、突然地形が変わったかのような、明らかに自然の地形ではなく人工物のような地形、城跡かと思う所に出会えます。周りを見ると、斜面を横方向に掘った大きな溝があり、空堀の跡だと確認出来る。この瞬間がたまらないのです。 妻も私と同じで歴史は好きなのですが、この話は理解できないと言います。お城は一緒に見に行きたいけど、一目で「お城」と分かるところでお願いします、だそうです。男の浪漫は、なかなか理解してもらえません。 私がお城に惹かれるのも、単に建築物としてだけではなく、戦災や災害によって失われたり、売却・廃却の危機に瀕したりと、数々の苦難を乗り越えて生き延びてきたその歴史や、地元の象徴としての存在の大きさがあるからだと思うのです。今であれば、国家や都道府県単位でないと行えないようなお城の大修理や、売却されたお城を買い戻すといった事業が、個人や民間の力で行われたという話がいくつもあります。お城に対する強い思いから復興が実現し、その思いが、地元の「宝」になっていると思うのです。 “期待前線”北上! 私は、お城に咲く桜の満開日と休日が重なることを期待しながら、毎年、桜前線の北上をチェックしています。特に「彦根城」と「犬山城」は必見です。 「彦根城」(滋賀県彦根市)は、約1200本の桜の木があり、実際に見てみると迫力を感じるくらいに見事なものです。一度、散り始めの時期に行ったことがあるのですが、強い風に吹かれて花びらが舞い、まさに桜吹雪状態。堀の水面が一面、花びらで埋め尽くされており、今まで見てきた桜の中で、MAXの感動でした。「彦根城」の桜は、是非、足を運ばれて、一見する価値があるものと思います。ただ、大人気の桜の名所なので、時間には余裕をもって行くことをおすすめします。
彦根城(本人撮影)※クリックすると拡大します。
彦根城の桜(本人撮影)※クリックすると拡大します。
もう一つのおすすめの「犬山城」(愛知県犬山市)は、小振りではあるものの、下に流れる木曽川の対岸から遠景で眺めてよし、近くから見てよし、の非常にきれいなお城です。本丸に咲く桜越しに見る天守は、本当に綺麗なものです。4月の第一土曜・日曜日に行われている「犬山祭り」には、お城の傍に十三台の車山(私の地元では山車と表記します)が勢揃いし、まさに壮観な眺めです。一度、祭りと知らずに行き、なかなか駐車場までたどり着けず、妻と母からブーイングを浴びたという苦い思い出もあります。
犬山城(本人撮影)※クリックすると拡大します。
桜の満開日と休日を睨めっこしているのですが、なかなかうまくいきません。そんな時は、「現存十二天守」(※)のわが北陸代表「丸岡城」(福井県坂井市)で桜見物というのもおすすめです。夜にお城の下の広場から桜を見上げて、ライトアップした天守を望むというのが私のお気に入りです。小ぶりなお城ですが、その分、天守が近く見え、なかなか素敵なのです。
2〜3日の余裕を持った日程があるなら、もう一つおすすめしたい私の大好きなお城「松江城」(島根県松江市)もあるのですが、書き始めると手が止まらず、大変長くなってしまうので、次の機会にすることとしましょう(笑)4月6日の「城の日」に少しでも興味を持っていただけたら、お近くのお城での桜見物から始めてみてはいかがでしょうか。
(※)現存十二天守…江戸時代またはそれ以前に建設され、現代まで保存されている城のこと(全国に12城ある)