旬の味覚
協力会社 ハンドルネーム 野の神山の神(60代・男性)
冬に終わりを告げ、温かくなると楽しみな事があります。それは山菜採りです。今年は、まだ寒い日が続く2月から、たまの晴れ間のあたたかな陽ざしの下、ハンドルを握りフキノトウを探し求めていました。 私が初めて山菜を採って食べたのは、数十年前の事です。春に大日岳を登山し、同行の女性に教わって採ったススタケを味噌汁にして食べました。少しえぐみがありましたが、まだ雪の残る山の中で食べた温かい汁物は格別でした。この登山以降、たびたび山菜を食べるようになり、少しずつ山菜の名前も覚えていきました。 私の山菜採りは、フキノトウから始まり、セリ、タラの芽、コゴミ、ぜんまい、ワラビと続き、ウド採りは、ちょっとした登山気分で雪山を歩きます。ヘビのいない雪道を探し、雪解けの斜面に芽吹く二輪草を踏み分けて行くと、エラ(ミヤマイラクサ)や山ウド、アマナ(ナルコユリ)なども採れます。雪の多い年には、岩場の上部に登り、行者ニンニクを採る時もあります。(雪が少ないと、足場が無い為採る場所まで登れないのです。)沢に下りればワサビ菜、残雪の脇にはフキノトウ、そのまま下山するとノブキやヨシナ(ミズ)、また藪に入ればススタケ、といろいろな山菜に出会えます。その頃には、リュックが重くて歩けないくらいです。 収穫後は妻まかせ 山菜採りは、採る楽しさだけでは終わりません。家に帰ってからが大変なのです。大鍋に湯を沸かしてアクを取ったり、そのまま湯がいて皮を剥いたり…。妻と共同作業で手早く済ませたいのですが、私の疲労はピークに達しており、足がつって戦力にはなりません。私は先にお風呂に入りリフレッシュ。 山菜のほとんどは天ぷらになります。フキノトウ、ススタケ、セリの根、行者ニンニクも天ぷらにしますが、中でもタラの芽と山ウドの新芽は最高です。コゴミはベーコンを入れてバター炒め、ワラビはアクを取っておひたしやサラダにしたり、保存を兼ねて昆布締めにもします。料理が終わると皮を剥いた山ウドに味噌を付けてかじりながらビールを一杯。考えるだけで楽しみです。 そうそう、今はホタルイカの時期ですね。川の土手ではノカンゾウという野草が採れるのですが、これをアサツキの代わりに酢味噌で和える事もできます。熱燗のお供に、また一杯といきたいものです。