10月3日「登山の日」
総務部経理課 ハンドルネーム 3年目の登山家(女性)
近年、登山をするようになった。きっかけは、高校からの友人との会話である。 「せっかく富山に住んでいるのだから、一度は立山に登ろう!」 2年前の秋、私達は立山の主峰・雄山の登頂に成功した。その翌年、私達が目指したのは、富士山だった。 「せっかく日本に住んでいるのだから、一度は富士山に登ってご来光を拝もう!」 辛さも感動も友人と共に 私達は、1泊2日の富士登山バスツアーに参加した。ツアーの内容は、北陸からバスで富士山5合目まで移動し、夕方5合目を出発、8合目にある山小屋で仮眠をとって夜中に再び登り始め、翌朝山頂を目指し、ご来光を拝むというもの。富士山では、苦しさと感動の両方を経験した。おしゃべりをしながら笑顔で登っていた序盤。3人で1組の布団に入り仮眠をとった山小屋。見上げた空には満天の星空、そして流れ星。特に印象的だったのは、登山の目的でもあったご来光である。雲海から現れ暗い空をどんどん明るく照らす光を見て、私達を含め、登山者から歓声があがった。その場に居合わせた人々と感動を共有した瞬間だった。振り返ると、感動と安堵で友人が泣いていた。その姿を見て、私も自然と涙が溢れてきた。頂上に着いたときの達成感は、この先も忘れられないだろう。ただ、富士登山で最も辛かったのは下りだ。私達が利用したルートでの下りは、砂地でひたすら同じ景色が続いていた。かつてない疲労感に襲われながらも、黙々と下り続け、最後は気力だけで歩いた。「当分登山はいいや…。」と思ったほどだ。 しかし、時が過ぎると辛かった記憶は薄れ「また登りたい。」という気持ちがどんどんと湧いてくる。それは友人達も同じだったようで、今年も再び山に登ることを決めた。今年目指す山は、石川県と岐阜県にまたがる白山だ。富士山・立山・白山は、山岳信仰の対象となる霊山のなかでも、「日本三霊山」(※1)と呼ばれているそうだ。この話は昨年、バスツアーの添乗員さんから聞いたもので、次の登山先は満場一致で白山に決まった。 「せっかく立山と富士山に登ったのだから、三霊山を制覇しよう!」と。 山を登りながら見る景色は鮮やかで美しく、友人との会話はいっそう思い出深くなる。登り続ける苦しさも、振り返ると楽しい思い出に変わる。そんな時間が忘れられず、また山に登りたいと思ってしまう私は、年々着実に登山の魅力にとりつかれているのだろう。 ※1 日本三霊山(にほんさんれいざん)とは、古より山岳信仰の盛んな日本において、霊山の三大として富士山・白山・立山を束ねた名数である。略して三霊山とも呼ばれる。 (以上、ウィキペディアより引用) (編集部より) 27日に発生した御嶽山噴火により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。