弓道
技術部機械保全課 ハンドルネーム 矢こぼれさん(10代・男性)
高校時代の一番の思い出、弓道の話をしたいと思います。 動画サイトをなにげなく見ていた時、ふと弓道の動画が目に入りました。弓を引き放つ姿や、素人から見てもわかる動作の綺麗さに心を奪われ、「自分もやってみたい!」と思い、弓道部への入部を決めました。 諦めなかったからこそ味わえた達成感 入部してすぐに弓を持たせてもらえる訳ではありません。まずは矢声(やごえ)の練習から始まりました。矢声と言うのは、矢が的に中った時にあげる声のことです。矢取道(やとりみち)(※1)に立ち、次の日には声が枯れるくらい大きな声で練習したのを覚えています。 この練習と同時進行で行われていたのが、射法八節(しゃほうはっせつ)という、矢を射るときに必要な8つの動作の練習でした。この動作の一つ一つを細かく先輩達に指導してもらったおかげで、弓道の基本がしっかりと身に付き、また、治したいと思っていた猫背も治すことができました。
そして、基礎がしっかりと身についた頃、やっと的前での練習が始まりました。初めて矢を射る時、先生に支えてもらいながら的を狙い、離れ(※2)をしました。パアンと気持ちいい音が鳴り、矢が的に中(あた)りました。しかし、中ったのはとなりの的でした。ですが私はそのとき、自分の矢が的に中ってパアンと鳴ったことがすごく嬉しかったです。私はそれから弓道にのめり込み、何度も何度も矢を射る練習をしました。そして迎えた初めての大会、残念ながら私の放った矢は一本も的に中りませんでした。悔しくて悔しくて、この時の悔しさを糧に毎日毎日練習をしました。ですが、大会では矢は中りません。悔しくてしかたがありませんでした。弓道が大好きだからこそ、大会で結果を出せず本当に辛かったです。日々練習量を増やしても中りませんでした。「やめたい」と思ったことは少なからずありました。でも私はそのたび、本当に好きな弓道をここで諦めたくないと、このままで終わりたくないと思いました。その思いを胸に練習を続け、高校3年生の最後の大会では団体メンバーに選ばれました。結果は惜しくも2位でインターハイには出場できませんでしたが、「やりきった」と思いました。 辛くて苦しかったけど辞めなくてよかったと心から思いました。 ※1 矢取道(やとりみち)… 弓道場の脇にある、的に中った矢を取りに行くための道 ※2 離れ(はなれ)… 矢を放つ動作のこと