7/21「自然公園の日」
総務部庶務課 ハンドルネーム にわしごと(60代・男性)
7月21日は「自然公園の日」で1957年に制定された記念日です(私のちょうど1年先輩です)。私は環境整備班に所属しており、樹木の管理も仕事のひとつなので、この記念日に関連して樹木について述べてみます。 地球上には約6万種、日本には約1,200種余りの樹木があると言われています。樹木を大きく二つに分類すると常緑樹と落葉樹に分かれます。皆さんもご存じの通り、1年中葉っぱを付けているのが常緑樹、秋になると紅葉し冬に葉っぱを落としてしまうのが落葉樹です。分布として寒冷地は落葉樹、熱帯地は常緑樹が多くなっています。葉は光合成により養分を生産し、幹や枝などに蓄積していきます。生産効率が悪くなると養分を蓄えに回せず、逆に樹木にとって葉が負担となるため、葉を落としてしまいます。落葉樹が寒冷地に多いのは、秋以降、太陽エネルギーが少なくなり採算が取れなくなるからです。それで冬に一斉に葉を落とし冬眠します。秋までの養分を少しずつ消費し、じっと春を待つのです。因みにカナダのメープル(カエデ)はその養分であるでんぷんを糖分に変え、冬の寒さに耐えています。春に根から吸い上げた水分とそれに溶けた糖分を「メープルウォーター」と言い、それを採取し煮詰めたものがメープルシロップです。落葉樹にはこのメープル以外にイチョウ、モミジ、ケヤキなどがあります。 一方、常緑樹は新葉が出て光合成ができるようになると老化した葉っぱが落ちます。新旧混在している時期があるので、いつも全体的に緑を保っており“常緑樹”とネーミングされています。日本の常緑樹の葉の寿命は1〜2年が一般的ですが、松類のなかには2年〜10年のものもあるそうです。常緑樹にはクスノキ、キンモクセイ、モッコクなどがあります。
時にはゆっくり健気な彼らを眺めよう
植物は光合成により二酸化炭素を吸収し、人間や動植物にとって最も大切な酸素を供給してくれています。菅総理が昨年、「2050年までに二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」と宣言しました。つまり「温室効果ガス排出量−森林などによる吸収量≦0」ということで、植物が非常に大きな役割を担っています。また植物は生態系の中の生産者(食物連鎖の底辺)であり、植物の作る有機物がすべての生命を支えているということになります。植物は何も発せず、動かず健気に地球を支えています。樹木や草花をそんなことを思いながら見ることもないでしょうが、時にはゆとりをもって植物を眺めてみてはいかがでしょうか。 私は造園技能士としてはまだ初心者ですが、自分の手で剪定した樹木を、ペットをかわいがるのと似た感覚で接しています。休日は朝から自宅の庭に出て、ポータブルラジオを聴きながら、植物たちの面倒を見ているとき「平和」を感じます。