特別寄稿
フルーティスト(東京在住) MIYA
富山在住のピアニスト、Momoさんと昨年再会して、今年に入ってから9月で富山を訪れるのは3回目になります。 Momoさんとは同じ音楽大学でジャズを学んでいたのですが、彼女は途中からアメリカへ渡り作曲の道へ。私は日本でジャズミュージシャンになるべく、お互い修行を重ねていました。その間もたまにe-mailで連絡をとったり、レコーディングした音源を交換したりと励ましあっていました。 そしてMomoさんがボストンからニューヨークを経て帰国したのが2006年。大学を卒業して2年たった私もなんとかギリギリ音楽で生活できるようになっていました。 早速、小さなスタジオで二人でセッションをする事に。どんなに言葉を重ねるよりも、音を合わる事で、相手がどんな事を経験して、どんな事を考えているのか、一瞬で感覚として身体の中に入ってきます。 Momoさんが持ってきた曲は、今まで経験したことのない、私にとって斬新なものでした。今までのジャズの歴史を踏襲しながらも、今の時代にしか表現できない、音楽家としてのチャレンジ精神を掻き立てられる内容でした。 ジャズの一番の魅力は「異文化交流」だと思います。違う背景を持つものがぶつかって初めて、クリエイティブなものが生まれます。「自分とは何か、自分のルーツはどこにあるのか」が見えてきます。私はそういうものを感じられる音楽が好きです。だれもが音楽の中に自分との接点を見出せる、そういうジャズが大好きです。 私の場合、母親がイギリス人、父親が日本人という事で、幼い頃は二つの文化の間で色々悩みました。もし、イギリスと日本が戦争になったら、と考え始めると眠れぬ夜をすごしたものです。 ジャズと出会って、違う文化がぶつかった時にはじめて芸術が生まれるという事を知った時、その悩みはなくなりました。 私がMomoさんの音楽の一番好きなところは、ハーモニー、リズム、メロディーのコンセプトが素晴らしいのはもちろん、Momoさんのルーツ、「富山の自然」が脈々と音楽の中に流れている事です。実際に富山に行って、Momoさんの音楽を現地で演奏する事でその思いはますます深まりました。 今回の「第6回OTANI PRESENTS ふれ逢いステーション」、曲はMomoさんの書き下ろし。どんな内容になるか、まだわかりませんが、全力でぶつかっていこうと思っています。 当日お会いできるのをとても楽しみにしています。