特別寄稿
第8・9回「OTANI ふれ逢いステーション」司会担当
富山シティエフエム パーソナリティー 垣田文子
私が観客として「ふれ逢いステーション」のコンサートを初めて観たのは確か、第5回のステージだったと思う。仕事を終えて急いで会場に向かうと、そこはすでに満員に近いお客様たち。すかさずスタッフの方が空いている席に誘導してくれて安堵した。スタッフの皆さんはどのお客様にも丁寧な応対で誘導していて、お客様たちは座席に腰をおろすと同時に、私と同じように、安堵の表情。そんな様子を見ていて気持ちがほんのり温かくなったのを覚えている。 コンサートはもちろんすばらしく、音楽の知識があってもなくても皆が楽しんでいるのが客席にいても感じられた。 そして、終演後。これまた丁寧に見送られて、帰路についた時、とてもいい時間を過ごせた満足感と幸せな気持ちに包まれた。 今こうして、あの最初のコンサートに行った時の自分の心の流れを振り返ってみると、「ふれ逢いステーション」のコンサートはステージ上の出演者だけではなく、スタッフの皆さんもパフォーマーであり、お客様にむけてのそのパフォーマンスは、すでにホールの開場と同時に始まっているのだと確信した。 そして、その温かく丁寧な応対というスタッフのパフォーマンスが、お客様の心をほぐし、演奏が始まる頃には楽しむための準備が、万端整っていたのではないかと思う。 舞台、客席、スタッフの気持ちを一つに そんな素敵なイベントの司会を私が仰せつかったのが、今年4月に開催された「第8回ふれ逢いステーション」。観客ではなく、司会というパフォーマーの一員として参加することになった。お客様に喜んで頂くための、舞台裏の準備の大変さと、スタッフの皆さんのフットワークの軽快さに改めて感心した。 物事を円滑に進めるのに大切なのはやはり、コミュニケーション。スタッフとステージに立つ音楽家と、お客様。それぞれの間でとる丁寧なコミュニケーションが波紋となって、当日のコンサートをより良く作り上げていくのだろうと思う。そんなコミュニケーションの輪に支えられて、私の司会パフォーマーとしての役割は何とか無事に果たせたように思う。感謝あるのみです。 さて次回、7月13日の「第9回ふれ逢いステーション」。再度、司会パフォーマーの役割を頂きました。大正時代の童謡詩人、金子みすゞの詩 “星とたんぽぽ” の中の、「見えぬけれどもあるんだよ 見えぬものでもあるんだよ」という言葉のように人の心は目に見えないけれど、それぞれの皆さんの気持ちを感じ、汲み取って、楽しんで頂けるように心を配りたいと思っている。