特別寄稿 第9回ふれ逢いステーションに参加して
作・編曲、ピアニスト 納谷嘉彦
7月13日(日)、富山県民会館大ホールで開催された「第9回OTANI PRESENTS ふれ逢いステーション」に出演させていただきました。素晴らしいコンサートに出演できとても感謝しています。 ありがとうございました! 今年の初めにこのコンサートへの出演依頼の電話を受けました。お話を聞いてみると、地元のアーティストと一緒に演奏をするとのことでした。それとリハーサルも充分に出来ないとのこと。 正直言って少し戸惑いました。 「それで地元のアーティストというと、どんな方たちと一緒にやるのでしょうか?」という僕の質問に、事務局の方から「サックスは中谷さん、ドラムスは中澤さん、ベースは日景さんにお願いしようと思っています」とのこと。 二つ返事でお受けしました! 北陸へは結構、行くんですよ!ツアーでも行っていますし、イベントでお招きいただいた事もあります。今回共演にあがった中の何人かは、地元でセッションする機会があったミュージシャンで、いままで北陸で共演したミュージシャンの中で、僕の印象に残っているメンバーでした。サックスの中谷君はNHKのジャズ番組でも僕のバンドメンバーとして共演していますし、ドラマーの中澤くんは「北陸にこのドラマーあり!」と東京でも名の知れたドラマーです。ベーシストの日景君(金沢大学JAZZ研出身)は、大学を卒業してから拠点を名古屋に移し、東海北陸地区をはじめ全国で幅広い活動をしています。どのメンバーも安心して共演できるメンバーでした。これは二つ返事です(笑)。 寒い地域は「追求型」!? 北陸のミュージシャンは、地方の中ではかなりレベルが高いミュージシャンが多いと思いますね!北陸出身で中央のトップクラスで活躍なさっているミュージシャンは多いですし、僕もその中の何人かの方達と何度も共演しています。 一緒に共演して思うのですが、僕をはじめ寒い地方のミュージシャンはストイックなまでに音楽を突き詰めて行く「自己追求型」が多いようです。反面他人とのふれ逢い方(つき合い方)、音楽で言うとアンサンブル感覚が苦手な様にも見受けられます。暖かい地方のミュージシャンは「自己追求型」というよりは、アンサンブルの中でどれだけ自己の音楽を出して行けるか(目立つか)という「集団内自己アピール型」が多い様に思えます。この二つをたして2で割れたら、いやいやプラスαで音楽を作れたら・・・。 しかし、このストイックなところにまた地方性がいいようにでているのかも知れませんね。 「ふれ逢いステーション」というイベントには初めて出演させていただきましたが、これだけのお客様を無料で招待し、しかもちゃんと構成・照明・音響と創り込んであるのには、驚きました!いろいろな“企業メセナ”の冠イベントもありますが、規模と質の点で特筆すべきイベントだと思いました。また、お客様も地域柄なのか、たまたまJAZZファンが多かったのか、掛け声や拍手などを聞いていると、JAZZのことが良くわかってらっしゃるお客様が多く、僕も大変気持ちよく演奏することが出来ました。 再び富山、北陸のミュージシャンの方々やお客様とお会いできる機会を、楽しみにしています!