コレに注目! 映画にはない観劇の魅力
管理課 ハンドルネーム そらゆけ姫(20代前半)
私はお芝居が大好きで、とくに、芝居が始まる瞬間のあの雰囲気が好きです。客席のざわめきがだんだんと静かになって、照明がすぅっと落ちていき、目の前に現実とは違う世界が始まるのです。 観客が目の前にいるのに、あたかもいないように演じ、世界を作っていきます。でも、現実とステージ上の世界とはまったく切り離されているわけではなく、役者は観客の反応を見て芝居を微妙に変えていきます。決められた流れ、結末は変えずに、観客の呼吸を肌で感じながら一瞬、一瞬に「その日の芝居」を作っていくのです。 映画やドラマは、既に完成しているものをみるだけですが、お芝居は、その場でリアルタイムに作り上げられます。だから、演者と同じ時間を共有でき、その場で初めてお芝居が完成するという感覚がすきで、魅力的に感じるのだと思います。 また、お芝居を、想像力を働かせながらみるというのも楽しいです。演者は、ステージ上の限られた空間の中で、如何に表現し伝えるか、が大切です。例えば、椅子として使っていた箱を、次の場面では机として使う。その違いをいちいち説明するわけではなく、演技によって伝えます。 そして私たち観客も、一人ひとりが想像し、彼らが言わんとすることを読み取ります。どう想像するかによっておのおのの感じ方は違うでしょう。 演者が演じ、観客が感じる。そうやって、作品の世界が完成するのだと私は思っています。 芝居は生きている 中学・高校と演劇部に所属していて、私は主に裏方をしていたのですが、役者をしている友達が、「観客が楽しそうに笑ってくれると、演技していて楽しいし、次はどうしていこうかと考える」と言っていました。その話を聞いて、やっぱり芝居は“Live”なんだと思いました。何度となく稽古を繰り返しているのに、これで完成ということはない。見ている人がいて初めて完成するものなのです。本当に不思議な魅力です。