高校受験の思い出
製造部圧延課 ハンドルネーム 思考怪路(20代後半・男性)
3月は県立高校の一般入試があります。富山県では今年は10日、11日に行われるということで、受験生の方々はラストスパートの時期でしょう。 私も、約10年前にある県立高校の一般入試に挑みました。1日目は国語、社会、理科の試験、2日目は英語、数学の試験がありました。おおかたの学校はこれで終わりですが、その県立高校は2日目の試験終了後、実技試験があるのです。もちろん、私の受験した電子機械科にも実技試験が用意されていました。 それはこんな問題です。 “2つのLED”、“電池ケース”、“左右に動くスイッチ”、“基板の部品”、“はんだごて”が机の上に置いてあり、問題は「左にスイッチを入れると左のLEDが点灯、右にスイッチを入れると右のLEDが点灯する回路を作成せよ」というもの。 実技試験があるということは試験前に知らされており、その対策として、同じ高校を受験する同級生と“はんだ付け”(※1)の練習を事前に中学校で行っていました。ですが、出題されたのは応用編。しかも、相手が電球よりも難易度の高いLED。“はんだ付け”の練習しかしていなかった私は、「例題どおりに作動する回路を組めるのか?」と一気に不安になりました。 スイッチを入れた瞬間「?!」 とにかく必死で考えて回路を組み、その後、基板にLED、スイッチ、電池ケースのはんだ付けをなんとか完了させました。例題どおりに作動するかを確認するため、左にスイッチをいれると、左のLEDが点灯しないのです!そして右にスイッチを入れてみると、左右両方のLEDが点灯してしまうというなんともまぬけな結果になってしまいました。「そんな〜」と真っ青になりましたが、もちろん時間が限られており、レポートも書かなくてはいけなかったため、直すこともできずこのままの状態で提出となりました。そのレポートには、とりあえず失敗してしまったということと、「ここが間違っていたのでは?」という考察と所感を書き、終了しました。 試験後は落ち込みましたが、結果的に合格してその高校へ入学することができました。思い通りの結果にならなくても、最後まであきらめなくてよかったと思いました。 それにしても、右スイッチをいれたときに両方のLEDが点灯したのは傑作でした。今となっては、自分の中ではいい思い出…というか笑い話になっています。
(※1)はんだ付け(はんだづけ)…はんだを熱で溶かしたものを一種の接着剤として用いることにより、金属や電子部品を接合する作業のことである。溶接の一種であり、ろう付け (brazing) と併せてろう接(鑞接、ろうせつ、brazing and soldering )とも呼ぶ。 (Wikipediaフリー百科事典より引用)