9月23日 海老江曳山祭り
製造部製鋼課 ハンドルネーム まっつんおとこ(20代・男性)
暑い日々もだんだんと秋に向けて涼しくなり、早朝には寒さをも感じさせるこの季節。9月23日といえば秋分の日だが、私にとっては一年の中でも、秋祭りで最も熱くなる日でもある。 一年をとおしてみると、春の4月に行われる獅子舞、そして秋は秋分の日に行われる曳山まつりがある。富山県には伏木、新湊、高岡、城端などたくさんの曳山が伝統文化として受け継がれているが、私の町内の曳山は、今から約150年前、安政4年(1857年)から曳かれていると伝えられている海老江(射水市)の曳山である。 秋祭りの1ヶ月前、8月下旬から囃子(はやし)方と木遣(きや)り歌の練習が始まる。毎晩子供たちや青年たちが近所の公民館集まり、横笛や太鼓、鐘の音が響く。その音色を聞いて私も祭りの日が待ち遠しくなるものだ。 祭り当日は、朝3時半に山倉前に集合し、曳山の飾りつけを始める。そして勇壮に男衆が「イヤサー、イヤサー」の掛け声で曳山を、夜の11時頃まで街中を練りまわす。 他の曳山には無い見どころ 曳山の飾りには2種類あり、昼は花山、夜は提灯山と、昼夜違った魅力的な面を見せてくれる。海老江の曳山は3台しかないが、4面にある彫刻は、中国の故事を主題にして彫られたもので、極彩色の塗装がこの彫刻を更に鮮やかにひき立てており、たいへん華やかで美しい。 他にもカラクリ人形や木遣り歌、やんさ踊りなど他の曳山まつりには無いもので、見る人を魅了する。カラクリ人形は、日本一の人形師、7代目玉屋庄兵衛の名作であり、22本の絹糸によって小太鼓を叩いて歩いたり走ったりし、瞬時に唐子や猿の顔に変身するという人形である。このカラクリ人形は北陸地方唯一のもので、世界的な展示会や、実演会で好評を博している。 去年は4本の車輪を新調し、地域住民全員で次世代に伝え残していこうとしている海老江の曳山まつり。この150年以上前から続く伝統に触れる機会があればぜひ一度見に来て欲しいものだ。