愛犬との奮闘記
業務部製品発送課 ハンドルネーム 鬼瓦権蔵(50代・男性)
私の家には“ジン”という犬がいる。6年前に知人よりいただいたオスの柴犬だ。 幼犬の頃は非常に小さくかわいくて、家族全員で面倒をみてくれていた。だから私が担当する世話も限られており、ペットの世話というものを甘く考えていた。 ある日、娘たちから電話で「散歩中に首輪を取り付けているときにクサリがはずれて、ジンがどこかへ行ってしまった」とのこと。近所、地区中を探しまわっていたところ、近所の犬好きの方がみつけて、連絡をくれたのでホッと胸をなでおろした。引き取りに行った帰りに、さっそくペットショップに寄り、新しく首輪を買い、取り替えて一安心した。 しかしその一件をきっかけに、娘たちからジンの世話への協力命令(?)が出され、私の奮闘が始まった。 今まで娘たちがしてくれていた散歩も私の担当となった。この頃の私は、仕事が変わって体力が伴っていないときであった。でも私がどれだけ疲れていようが、ジンには私の事情は理解できない。私がジンを散歩に連れ出している様子を見た友人達や近所の人からは、「まるで犬に散歩をさせられているようだ」と言われてしまった。なんとも心外だが、友人の意見も貴重なアドバイスと考え、それから毎日、自発的に朝夕2回の散歩に出るようにした。朝夕というけれど、北陸の四季は夏は暑く、冬は雪が降るから継続がたいへんだ。果たして、自分は本当に犬が好きなのか、それともジンのことを“ただのペット”程度にしか思っていないのか。自分の意思を確かめるのによい機会にはなった。 ドライブ察してソワソワ 最近では、散歩のコースをいろいろ変えて毎日2時間ほどの付き合いをするようになった。一緒に出かけるときには、気配を察するや、耳をピンと立て目も鋭くなりソワソワしだす。ジンは、車に乗ることも大好きで、それまでだらしなく寝そべっていても、車で出かけるのがすぐにわかって、急にさわがしくなる。飼い主が愛情を込めて付き合うと、犬も応えてくれる。まるで父と息子、男と男の付き合いをしているような気持ちになる。 最近は、犬や猫を飼う人が多くなり、なかにはマナーが悪い人、愛情をもって接しない人、また室内に置くなど犬に適した飼い方をしない人もいる。家族の一員として、我が子同様に接し、親(飼い主)の役目を果たしてもらいたい。動物はきっと応えてくれる。 毎日の楽しみをくれる愛犬ジンに感謝、感謝である。