クリスマスの思い出
業務部製品発送課 ハンドルネーム H.D.rider(30代・男性)
12月の一大イベントといえば、クリスマスである。街だけでなく住宅さえも美しいイルミネーションで着飾り、可愛らしいオブジェで賑やかさを引き立てる。街行く人々はその雰囲気を味わい楽しみ、それぞれの聖なる夜を過ごす。 このイベントを誰よりも心待ちにしているのは子どもたちだ。誕生日以外でプレゼントがもらえる貴重な日だからだ。よく絵本などに描かれているように、サンタクロースが、眠っている間にそっと優しく微笑みながら、枕元にプレゼントを届けてくれることを夢見ていた、そんな子ども時代を誰もが経験しているのではないだろうか。 実際私も幼い頃はそうだった。クリスマス・イブの夜、あらかじめ準備しておいたお菓子が入っていた赤い長靴型の容器を、靴下代わりに枕元に置き、その中にこっそり「欲しいもの」をメモした小さな紙を入れた。期待と高揚感で胸を高鳴らせながら暖かい布団に潜り込み、眠りに落ちるのを待ちながらふと、思った。 (そういえば、サンタってエントツからやってくるはず。家にはそんなものはない…) 一瞬不安がよぎる。しかし、そのささやかな疑問はすぐに解決した。 (あぁ、換気扇から来るんだ。きっとそうだ。) なんとなく安心して、眠りに落ちた。 長靴の中に入っていたものは… そして迎えた翌朝、ドキドキしながら長靴を見ると、昨晩入れたようなメモが、ぽつんとこちらを見上げているだけではないか。私は少しがっかりしながらメモを確認してみる。そこには。 『来年もいい子にしていたら、プレゼントをあげるね。 サンタより』 なんとサンタからコメントが!ドキドキ嬉しいような、でも何となく腑に落ちないような…。(それでも、その日食べたケーキの美味しさがそのモヤモヤした気分を消し飛ばしてくれた。) 因みに、このサンタは翌年も同じようなコメントを残していった。どうやら我が家へやってくるサンタにとって、我が子の成長を願う心がプレゼントだったらしい。 将来家庭を持ち、新しい命が授かるであろう未来、自分が子どもへどう接し、愛情を注いでいくか。試行錯誤を繰り返していく中で、色々な発見もあるだろう。その子が成長し、クリスマスを迎える季節になった時。子どもが心から喜んでくれるようなイベントを創り上げ、素敵なサプライズを与えられるような親になりたいと思う今日この頃である。