仲間と温泉小旅行
製造部圧延課 ハンドルネーム チーム絆(60代・男性)
私は温泉に行くのが好きだ。2年前に職場の先輩に誘われたのがきっかけだ。それまでは家族旅行に行くにしても、ディズニーランドや遊園地などのアミューズメントパークがほとんどだったから、あまり温泉に行った記憶はなかった。 先輩に誘われて行ったのは、山代温泉の「山下家」という旅館だ。職場の仲間12〜3人でワゴン車2台に乗り合わせて昼頃に出発し、ちょうど今頃のような陽気のなかワイワイ言いながらドライブを楽しんだ。 旅館に着いてからは、部屋でしばしくつろいで仲間たちと話したり、温泉にゆっくり浸かったり、美味しい料理に舌鼓を打ったりと、楽しいときを過ごした。お酒が入ると心も開放され、普段の仕事中にはなかなかできない話も心置きなくすることができ、とてもいい時間を過ごせるのだなと感じた。 温泉の魅力にとりつかれ、それからは固定メンバー5〜6人で毎月のように温泉旅行に行くこともあった。山代温泉、和倉温泉など石川方面が多く、多いときは10人以上の大所帯で行くこともあった。特に新緑の季節や紅葉の季節などは、お風呂に浸かりながら景色を楽しめるからとても好きな季節だ。 心許せる間柄だからこそ 不思議なもので、あの空間にいると普段あまりしゃべらない人でも口が達者になるようだ。お酒が入るせいもあるだろうが、この人はこんなにしっかりした考え方を持っているのか、と新たな発見がある。コミュニケーションの場としては最適だと思う。 さて昨年5月ごろに私を含めた4人で和倉の温泉に行ったときのこと。私が入社してから20年来ずっとお世話になっている先輩(初めて温泉に誘ってもらった先輩)も一緒だった。いつもは食事の後は和やかな雰囲気なのだが、珍しくそのときは先輩から仕事に対する苦言の言葉があった。普段は温厚な方なのだが、このときは別人のようだった。大変驚いたが、指摘されたことはもっともなことであり、とても反省した。加えて、それほどまでに自分のことをみていてくれるのだと思うと、ありがたいと思う気持ちがあふれた。なによりあのときの4人がお互い心許せる仲だったからこそ、あのときあの場で叱ってくれたのだと思う。真剣な話のあとは、いつもどおりの雰囲気に戻って楽しい酒をいただいた。心なしかより絆が深まった気がした。 仕事で張り詰めている気持ちを解き放ち、リラックスできるところが温泉のよいところだ。そして心許せる仲間とも腹を割って話せる貴重な時間を過ごせる。これからもたまには皆を誘って、温泉旅行をしたいと思う。