国境を越えた触れ合い
研究開発部 ハンドルネーム 親しみトラベラー(70代・男性)
先日古希を迎えましたが、この歳になりテレビ映像等を見ていると色々と昔のことが思い出されます。先日もテレビでやっていたノルウェーのフィヨルドやアーモンドの花を見ていたら、昔近くに住んでいた外国人の夫婦のことを思い出しました。 彼らは私と同年代で、旦那さんがスペイン人、奥さんがノルウェー人で綺麗な英語を話す方でした。彼らとは何回も一緒に国内旅行に行きましたが、記憶に残っているのが公園に桜を見に行ったときのこと。美しく咲いている桜に大変喜んでもらえました。そしてヨーロッパに桜は無いけれど、アーモンドの花が綺麗に咲くのだと言っていました。アーモンドの実は食べるけど、その花を知っている人は日本では数少ないでしょうね。 スペインでの出会い 彼らがスペインへ帰国してからも交流は続きました。マドリッドで開かれた娘さんの結婚式にも家内と一緒に招待していただきました。 式場でも多くの出会いがありました。奥さんの親戚は海運会社を経営されており、偶然にも私が前に務めていた会社の系列の日本の造船所に何度か訪ねたことがあるとのことでした。 結婚披露宴では、日本のように祝辞があると思い、英語で祝辞を考えて行ったのですが、200人位の宴会で皆が自由な席に座り直ぐにパーティが始まりました。私の隣の席には、イギリス人の新婦の友人がいたので、「イギリスの結婚式もこんなフランクな感じか」と聞くと、イギリスでは日本と同じように儀式があり、新郎新婦の紹介や祝辞があると教えてくれました。 パーティ後、アメリカに住んでいる息子さんが私たちをホテルまで送ってくれました。その車中で私が「君はアメリカで音楽活動をしていて多くのガールフレンドがいるから、誰と結婚するか決められないとお母さんが言っていたよ」等と冗談を話して笑いあった覚えがあります。 奥さんからは毎年クリスマスカードを送ってくれ、東日本大震災の後には安否を気遣って電話をくれました。本当に有り難いことです。 このほかにも、ニュージーランド、エジプト、タイなど多くの国に行きましたが、それぞれの地で、色々な人と、かけがえのない思い出を作ることができました。この歳になると記憶が段々薄れてきてしまいますが、このような楽しい思い出は生涯忘れないようにしたいと思います。
アーモンドの花(筆者より提供)