もうひとりの家族
業務部製品発送課 ハンドルネーム 衝動飼い主(40代・男性)
我が家には、2歳になるミニチュアダックスフンドが1匹います。最初は犬を飼うなんて思いもしませんでした。ところがある日、買い物をしていたときにフラッと立ち寄ったペットショップで順番に犬を見ていると、1匹だけ仰向けに寝ながら足を大きく開き、顔を向けずに目だけでこちらを見ているではありませんか。その思わせぶりな表情がちょっと気になり、少しだけ近づくと、表情とは裏腹に、モコモコのしっぽを振ってこちらを誘っているかのように見えたのです。その瞬間、まったく緊張感を感じさせないそのしぐさに見惚れ、一瞬電気が走ったように「この犬を飼いたい」と感じました。店員さんに檻から出してもらい抱っこすると、より一層「欲しい」という気持ちが増してきました。 けれど、ただ「かわいい」とか「欲しい」という気持ちだけで動物を飼えないことくらいはわかっていました。いい加減な気持ちで安易に決めたくなかったのでその日は決断せず帰り、家族と話をして、納得してからもう一度見に行こうと思いました。その間に他の方が購入してしまっていても、それは仕方の無いことであり、縁が無かったと諦める覚悟はできていました。 「今すぐください」に驚嘆 後日、半分諦めの気持ちでそのペットショップへ行くと、なんとその子がまだ居てくれたのです。ここで私の気持ちはゆるぎないものになりました。 「この子をください」 店員に言うと、次の来店がいつになるのかを尋ねられました。普通、犬を飼いにくるお客さんは何回か来店して購入されるのでしょう。 「今、連れて帰ります」 私の回答に店員さんは少し驚いたような顔をしましたが、今すぐ準備します、と慌しく準備してくれたことを思い出します。 あれから1年半が過ぎ、すくすくと成長しました。仕事から家に戻って玄関を開けると、日ごとに違う迎え方をしてくれ、その姿を見るたびに心が和みます。よく話しかけたりもしますが、私の言っていることをよく理解してくれているように感じます。気持ちが通じたときは「本当の家族なのだ」と実感します。 この子を飼って本当によかったと思いますし、これからもしっかり面倒を見ていきたいと思います。