習い事
業務部営業課 ハンドルネーム 凛(女性)
義祖母・義母が先生をしていることもあり、一年ほど前から茶道を習っています。 茶道は長い歴史とともに、さまざまな形がうまれ数百の流派があるとされています。「表千家」や「裏千家」はよく聞かれますが、私の習っている流派は『古儀茶道藪内流』といい、千利休の弟弟子である藪内剣仲を祖とします。義祖母の自宅にあるお茶室で、毎週他の生徒の方々に交じってお稽古をしています。夫も習っていたので、共通の話題が増えたのは大変嬉しいことです。お点前の所作は一度にひとつのことと決まっています。所作の美しさも楽しむポイントの一つだそうです。同時に二つ以上のことをするのが大好きな私にとって、まさに対極の世界。でも、無駄のない完成された動作の流れの中には、随所に客への思いやりが感じられます。 茶室も衣替えで冬仕様 11月から、お茶室の設えが冬仕様に変わりました。炭をおこして釜をかける為に、「風炉」が「炉」へ変わると(※1)、それに合わせて床の間に椿が飾られ、香合(※2)も木造りから焼き物になるのだと教えてもらいました。そういう風に、お茶では季節感がとても大事にされます。出されるお菓子も、その季節に合ったもので、夏は葛を使った透明なものだったり、秋は柿の形だったり、見た目にも美しく楽しいものばかりです。 客は、お菓子の後にお茶を頂きます。薄茶(※3)は細かく泡の立っているのが良いとされます。点てるときの力強さと手首のスナップが重要なようで、男性の点てたお茶の方が美味しいと、最近夫のお点前で感じました。(ちなみに表千家では泡を立ててはいけないそうです)もともと茶道自体は、男性のものだったそうです。藪内流はお点前の所作が大振りなこともあり、やはり男性がやる方が見栄えがするようです。お菓子とお茶もいいですが、私は、お点前の終わりに、湯酌で窯に水を差す瞬間が一番好きです。しゅんしゅんと沸いていた窯に水を差した瞬間、お茶室全体がシンと静まり返ったその瞬間、はっとします。それが至福の時間だったりするのですが、文章で伝えるのはなかなか難しいですね。 お茶って堅苦しそう、お作法にうるさそう、と思う方も多いと思います。私も最初はそうでしたが、緊張するのははじめだけ。今では、お稽古は最高のリラックスタイムです。ご興味がある方はぜひ。 ※1 「炉」「風炉」とは 茶道具の1つで、火を入れて釜をかけるもののこと。炉とは囲炉裏ことで11月〜4月を炉の時期とし、湯を沸かす為に用いる。また、夏は涼しくという心づかいから、5月〜10月は風炉の時期としている。 ※2 「香合(こうごう)」とは お茶室で香を焚くための、お香を入れる器のこと。 ※3 「薄茶」とは 皆さんが抹茶と聞いて想像する泡のたっているお茶のこと。他に「濃茶(こいちゃ)」などがある。 <ページ先頭へ>