師走の一こま
経理課 ハンドルネーム 一筆啓上
携帯メールが普及するにつれ、年々年賀状を出す人は激減しているそうです。来るのは美容室や、行きつけのショップからの年賀状ぐらいです。年賀状を何年も出し合っているような友人もいたのですが、それもいつしか「おめでとうメール」になってしまいました。去年当たりから、とうとうそのメールも途絶え… Eメールは手軽でいいのだけれど、心にもあまり残らないような気がします。大事に残しているメールなんてほとんどありませんが、小学生の頃に同級生や先生からもらった年賀状は今でも大事に残してあります。 その中の一枚に小学1年生の頃に片思いの子からもらった年賀状があります。 当時、同じクラスのお気に入りだったその女の子からお返しの年賀状が欲しくて、ありったけの勇気をふりしぼって年賀状を書いたのを覚えています。 ラブレターのようなメッセージなど、とても書けるはずもなく、ありきたりの文面だったと思います。その女の子からのお返しの年賀状も、「あけましておめでとう ことしもよろしくおねがいします」という、お決まりの文句が書かれているだけでしたが、それがきっかけで小学生の間は、年賀状のやり取りが続き、毎年お正月に年賀状が届くのが楽しみでした。 葉書きならではの楽しみ そうした交流も中学生になるころにはすっかり途絶えてしまい、今では全く会うこともありませんが、年賀ハガキを見るたびに、懐かしいような、恥ずかしいような気持ちになります。 こんな風に、昔の年賀状を眺めながら感傷(?)にふけったりできるのも、葉書だからこそではないでしょうか。 忙しい年末にはどうしても日にちに追われて、つい型どおりのあいさつ文や印刷文になりがちですが、めったに書かない葉書きであればなおさら、思いを込めた一文を添えたいものです。最近、「おめでとうメール」さえもサボりがちになっている私ですが、やがて引き出しの中から出てきたときにも、相手の心によみがえる、気持ちの伝わる一言を添えた年賀状にしようと思っています。