2月14日 バレンタイン・デー
生産管理室 ハンドルネーム 愛伝道師隊(20代前半・女性)
ものの本によれば「バレンタイン」とは、3世紀にローマで殉教したキリスト教徒・バレンティノを指しているそうです。当時のローマでは、皇帝の命により若い兵士の結婚を禁じていました。しかし、そんな若者を哀れに思ったバレンティノは、彼らを内密に結婚させていたのです。そのことが皇帝に知れ渡り、ついにバレンティノが処刑された日が、2月14日だったわけです。以後、バレンティノは愛の守護神としてたたえられ、彼の命日の2月14日が愛を称える日として祝福されるようになったそうです。 日本では、バレンタイン・デーの風習として、女性が男性にチョコレートを渡して愛を告白するのが一般的となっています。最近ではカップル間のイベントだけにとどまらず、家族や友達にプレゼントを渡す女性も多いのではないでしょうか。 照れ屋の祖父のそっけない返事 私は中学生くらいの頃から毎年、バレンタイン・デーにチョコレートをプレゼントしている人がいます。それは離れて暮らしている祖父です。以前は、この日が近づくと祖母から「おじいちゃん楽しみにしているから」「いつ来る?」と電話がありました。毎年、どんなに喜んでくれるだろう、と内心ワクワクしながら、当日家まで持っていくと、祖父は「あぁ」とか「ごちそうさん」とか、そっけない返事です。本当に楽しみにしてくれていたのだろうか、と思うくらい、ぶっきらぼうな返事が返ってくるのでした。 初めて渡したときには、あまりにそっけない祖父の返事に拍子抜けし、後日祖母に「おじいちゃんチョコレート食べていた?」と思わず聞いたことを覚えています。祖母は「おじいちゃん、もったいないからって毎日一個ずつ喜んで食べていたよ」と答えてくれました。 もともと祖父は無口な人なので、私に対しては口数が少ないですが、祖母には何でも話します。ですから、私の前ではそっけないそぶりでしたが、祖母からの話で、結構喜んでくれているんだ、と知ることができました。きっと照れ隠しなのでしょう。 祖父にとっては、女の子の孫は私一人だけなので、孫からもらうチョコは、私からだけ。祖父が楽しみにしてくれていると思うと、私も幸せな気持ちになれます。 私にとってバレンタイン・デーは、祖父に日頃の感謝の気持ちを伝えられる貴重な日です。もちろん今年も渡すつもりで、今から計画を立てています。一回くらい、満面の笑みを浮かべる祖父を見てみたいものです。