この春、姉の結婚式
圧延課 ハンドルネーム スマイリー(20代前半・男性)
3月14日、姉の結婚式がありました。金沢で午前の挙式ということで、母は準備を手伝うため前日から、私と父は式当日に現地へ乗り込みました。 姉たちの結婚式は、神前結婚式。式場に入るや否や目に飛び込んできたのは、華やかないでたちの新郎新婦。私が今まで見てきた中で一番綺麗な姉がいて、隣には格好良い義兄がいました。弟の私が自分の姉を「綺麗」と言うのはかなり心苦しいところがありますが、この日だけは心からそう思いました。神前結婚式は、思っていたよりもかなり短い時間で終わり驚きましたが、日本らしくとても良い式でした。 披露宴会場に場所を移し、あらためて義兄の父母や妹夫婦と会い挨拶をしました。みなさんとても優しそうな人で良い印象を受けました。 披露宴ではいろいろな余興がありました。定番の新郎新婦のプロフィール紹介が始まると、スクリーンに映し出される幼い頃の姉の写真を見て、父と母はだんだんと口数が少なくなっていきました。 伯父の言葉に父が涙 その後、父は乾杯の挨拶と同時に、ペースよくお酒を飲み始めました。次第に気分がよくなったのか、父はビール瓶を片手に持ち、姉と義兄のもとにふらふらっと歩いていきました。しばらくして帰ってきた父は眼を赤くさせていて、伯父が温かい言葉をかけると、父は涙を流していました。 父にとっては、姉の結婚は大変喜ばしいと同時に、嫁に出すという寂しさもあり、お酒を飲まずにはいられなかったのでしょう。いつもは頑固で気難しい父のそんな姿は、とても印象的でした。 私はというと、1日、カメラマンとして忙しく働いていました。なんてったって、姉にとって一生に一度の晴れ舞台。いままでの中で最高に綺麗な姉をそのまま写真に収めたい。そんな思いで撮ってはいますが、撮っても撮っても満足いきません。写真のセンスがないと痛感させられる日となりましたが、私や父、母の目には、あの日の姉の晴れ姿がずっと焼きついています。姉と義兄はたくさんの友人・親族に囲まれていて、とても幸せそうでした。