コレに注目! 9月1日は「防災の日」
技術部電気課 ハンドルネーム 消防設備士(60代前半・男性)
皆さんはホテル・旅館に宿泊される場合、最初に何をされますか?私は、ホテル・旅館だけでなくデパート・各種ストアー等に出かけるときも、つい「非常口」「消火器の位置」を確認する癖がついています。 カラオケ・パチンコ・映画館・居酒屋等にいっても、避難誘導灯の確認、非常口に障害物はないかを、ついチェックしてしまいます。 というのは、2001年に多くの死傷者を出した、東京歌舞伎町の雑居ビル火災のときに、会社の防災担当だったこともあり、それ以来つい気になるようになってしまいました。あの火災は、防火扉の前に物が日常的に置かれていたなど、設備上の問題、管理上の問題が大きく、ほとんどが人災と言えます。 この火災をきっかけに、消防法が改正され、消防に対する規制が大変厳しくなるきっかけになったくらいの大きな火災でした。 看護学校生徒が患者436名を救出 9月1日は「防災の日」。 皆さん、A・B・C消火器(※注1)、消火栓(散水栓)の使用方法はご存知ですよね。 当社でも、消防訓練の一環として、消火栓による散水訓練が実施されていますが、いざ火災、というときに落ち着いて対処できるかどうかは、日頃の訓練次第といえます。 昭和57年、福岡県福岡市の国立中央病院で火災が発生し、院内が騒然となったとき、火災を知らせる放送と共に、隣接の看護学校の生徒45名が応援に駆けつけ、日頃の訓練に従って、婦長の指揮の下、勤務者60名と協力し、患者436名を次々と避難させました。 出動した消防隊が特に救出活動をする必要がなかったくらいに、この行動がいかに素早かったかがわかります。 「防災の日」をきっかけに、火災発生の可能性と初期消火をシミュレーションして見ましょう。各種工事や配線・油脂類近辺での火気使用など、火災の要因は至る所に存在します。一人ひとりが「1日防火管理者」となって問題点を抽出し合うのも良いのでは。 火災で最も怖いのは煙です。階下で出火だからとあなどることは危険です。煙の水平移動速度は、通常0.5〜0.75m/秒ですが、階段等垂直の上昇速度は、1.5〜3.5m/秒と言われます。自身の歩行速度と比べてみて下さい。 もし、火災に遭遇した場合、パニックにならないよう落ち着くことが肝心です。避難時は、ハンカチ等で口を覆い、低い体勢が煙を避ける方法です。 家族そして大切な財産を失うことにもつながる火災を出さないことが、最も重要であることは言うまでもありません。くれぐれも寝タバコにご注意を。 ご安全に!
※注1 ABC消火器: A=普通火災(木材・紙・繊維など)、B=油による火災(ガソリン・灯油・天ぷら油など)、C=電気やガス火災などに対応できる、消火器のこと。