編集後記
編集部 かほり
9月10日は、鉄道・電車・バスの日ですって。こんな日があるんですね。昨今の休日はETC機能を使っての1000円のプチ旅行が大流行り。でも、「目的地直行型」より「道中お楽しみ型」の電車やバスの旅もよいものです。 数年前に、「青春18きっぷ」(※1)を使って電車で島根県に旅行しました。1日1枚で乗り放題ですが、乗車できるのは普通・快速列車だけ。乗継が悪いと、移動だけで1日費やしてしまうほどです。 琴ヶ浜(※2)に行ったときのこと。最寄りの駅である馬路[まじ]駅から、宿のある松江方面に行く電車は2時間に1〜2本しか通りません。私たちはよりによってそんなときに電車の発車時刻を勘違いして、駅に着いたときには電車はとっくに出発した後。おまけに、次の電車が到着するのは1時間半後。当時都会暮らしのテンポからはあまりに時間の経ち方が違い、一瞬気を失いそうになりましたが、琴ヶ浜の海に沈む夕日を見つめるうちに、こうして時間の経つのもなかなかよいものだと感じ始めていました。こんな気ままさが電車の旅のよいところですね。 めまぐるしく過ぎていく日々の中で、「鉄道・電車・バスの日」が、ゆったりと過ぎて行ったあの時間を思い出させてくれました。
(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』) ※1 青春18きっぷ…旅客鉄道会社線(JR線)の普通列車・快速列車が一日乗り放題となる、期間限定の特別企画乗車券(トクトクきっぷ)である。使用年齢に制限はない(小人大人の区別もない)。 ※2 琴ヶ浜(ことがはま)…島根県大田市仁摩町(旧邇摩郡仁摩町)にある砂浜。鳴り砂(鳴き砂とも言う)で有名であり、1996年に日本の音風景100選と日本の渚百選に選ばれる。延長1.6Km。