秋の訪れ
研究開発部鉄鋼技術研究室 ハンドルネーム アキアカネ(20代・男性)
仕事が終わり、帰宅しようと駐車場に向かう途中、何かが顔の前を横切り、目で追いかけるとトンボでした。トンボが夕日に染まった空を背景に、悠々と飛んでいるのを見ると、ふと小さいころの記憶が思い出されました。 小さいころ、私はオニヤンマが好きで、友達たち数人と一緒に虫取り網を持ち、野原や畑を空が夕日で染まる頃まで走り回っていました。気がつくとこの頃は、オニヤンマだけでなく、トンボ自体、見ることがめっきりと少なくなり、寂しい限りです。今のこどもたちはそうした楽しみを知らないで過ごしているのかな、と思うと少しかわいそうに感じます。 さて、暑い夏が終わり、朝晩過ごしやすい季節になってきました。私の秋の楽しみは、「食欲とスポーツの秋」です。 毎年この季節になると、食指が動き、ついつい誘惑されてしまう食材が食卓に並びます。他の季節とは比べものにならないくらい食欲が出てきて、油断するとつい食べ過ぎてしまうのもこの季節ならでは。 食べ過ぎてしまったな、と思ったときは体を動かすのが一番。私はテニスをしているのですが、この時期は一汗かくのが実に爽快な季節です。そのため、プレーにも集中することができ、何か新しいプレースタイルに挑戦してみようかと思うのもこの季節です。 10月13日はサツマイモの日 とはいうものの、実りの秋に獲れる作物は本当に美味しく感じますよね。私の食欲を特に刺激するのが、祖父と祖母が家の近くと山の畑で栽培している様々な野菜や果実です。(写真1) そして、その中でも毎年楽しみにしているものがサツマイモです。これが抜群においしく、いつも丹精こめて育ててくれている祖父と祖母には感謝の気持ちでいっぱいです。先日、山の畑で採れたサツマイモを、早速蒸かしイモにして食べました。口の中いっぱいにサツマイモの甘みが広がり、今年も実りの秋の到来を実感しました。夢中で食べていて気がつくと、写真に撮ったサツマイモが、全てなくなっていました。本当に美味しいものは満腹中枢を麻痺させるなあと思います。(写真2) ところで、このエッセイを書くにあたって、10月13日は「サツマイモの日」という事を初めて知りました。由来を調べてみると、昔から「栗(九里)より(四里)うまい十三里」といって、芋屋の看板には「十三里半」と書いてあったそうです。洒落の効いた言い回しだと感心しました。またおいしいサツマイモの産地である埼玉県川越市が江戸からちょうど十三里だから、という説も。そこから収穫の秋の10月13日をサツマイモの日にしたとのことです。サツマイモの日に、家で収穫したサツマイモを使い、自分で料理をしてみようと考えています。
(写真1) 祖父母が栽培している野菜や果実
(写真2) ほくほくの蒸かしイモ