コレに注目!
業務部製品発送課 ハンドルネーム 剣岳 僕の記(40代・男性)
友人に誘われて、10年ほど前から山に登っています。といっても、普段登るのは、高岡市にある二上山(標高274m)程度の高さの山がほとんどで、ハイキングのような感覚で登ることができます。仲間たちの中には、夏の登山シーズンに標高数千m級の山々に登っているようですが、私はなかなか参加できずにいました。 5年ほど前、仲間から剣岳登山に誘われました。前々から剣岳に登ってみたいという思いがあり、思い切って参加することにしました。 この話を登山好きの父に話すと、「お前に“剣”は無理、無理」と一喝されてしまいました。父は昔から登山が趣味だったようで、剣岳にも登ったことがあるそうですが、体力的にも精神的にもこたえる登山だったそう。それを知っているからこそ、本格的な登山の経験が少ない私には無理だと察したのでしょう。 私も自信があるわけでもなく、「剣岳に登ってみたい」という気持ちだけでした。さすがに体力づくりが必要だと感じ、登山当日まで重い荷物を持って階段を上り下りするくらいのトレーニングはしておきました。 ペースをつかむのに一苦労 8月某日、上市町馬場島から早月尾根を経て北アルプス剣岳山頂を目指しました。このルートは馬場島から山頂までを一気に登るルートで、標高差は日本一といわれています。私たちは仲間8人で朝5時ごろに集合し、馬場島にある剣岳登山口から出発しました。この日の目標は、標高2200m地点にある早月小屋。そこで一晩を過ごし、翌朝未明に山頂を目指します。 テントなどを積んだ20s近くのリュックを背負い、慣れない足取りで仲間についていきました。始めはなんとかよかったのですが、「ついて行かなければ」というプレッシャーから、なかなか自分のペースがつかめず、中盤頃から先頭集団からどんどん離されてしまうようになりました。一旦冷静になることで、なんとか追いつくことができましたが、「これぞ経験の差」だと思い知らされました。あせらずに一歩一歩確実に登る、このことに気付いたとき、山の景色が見られるようになり、楽しいと思えるようになりました。 その日の夕方山小屋に着いて、しばしの休息をとり、翌朝3時に山小屋を出発し、山頂を目指します。山頂へ向かう道中に日の出を迎えましたが、雲の切れ間から見える山々は美しく、なんとも言えない感動がありました。 そして登頂できたときの達成感は、今まで味わったことのないものでした。この達成感がクセになるといわれるのがよくわかりました。 ちょくちょく行くことはできませんが、今度は別ルートから剣岳山頂を目指したいと思います。無理は禁物ですが、皆さんにもこの感動をぜひ味わっていただきたいです。