行楽シーズン到来
技術部電気課 ハンドルネーム 歴男デビュー(40代・男性)
10年前の春、4泊5日で九州から中国地方へと旅行をした。詳しい旅のプランは決めずに、鈍行列車とレンタカーを使って、着の身着のままの旅だった。九州では熊本城や竹田城跡を訪れたり、明治維新胎動の地となった山口県萩市を観光したりと、気が付けば日本の史跡を巡る旅となった。 熊本城は、名将・加藤清正によって築城された日本三名城の一つだ。「清正流(せいしょうりゅう)」と呼ばれる石垣の上に御殿、大小天守、五階櫓などが詰め込んだように建てられ、一大名の城としては「日本一」であるとの評価がある。友人も私も、城マニアというわけではなかったけれど、確かにこれまで見た城のなかでも構造が特徴的で、建築技術の素晴らしさを感じた。周りに木々が生い茂る様子も圧巻でみとれてしまった。また「武者返し」と呼ばれる石垣は、敵の侵入を防ぐために考案されたそうで、当時の武将達の戦略の緻密さを肌で感じた。 志士たちの想いを知る 山口県萩市は、日本で唯一「江戸時代の地図がそのまま使える町」といわれるほど、毛利藩政期に形成された城下町のたたずまいが都市遺産として今なお現存している町だ。吉田松陰をはじめ、高杉晋作や伊藤博文など近代日本の夜明けを告げた人々を輩出した地としても有名で、松陰塾の建屋や彼らが当時暮らしていたという自宅が観光スポットになっていた。彼らの活躍は一般常識程度に知っているつもりだったが、書物や当時の写真を目にして、それまで知らなかった実情を知ることができた。 そして萩市は、「萩焼」の地としても有名だが、萩焼の茶碗を記念に購入し今でも使っている。 当時めったになかった長期の休みをのんびりと過ごすことができたと同時に、昔の日本についての知識を深める旅となった。あれから10年経つが町はどのように変わっているのだろうか。これからのシーズンは気候も良くなるし、機会があればまた行きたいと思う。