9月17日「敬老の日」
生産管理室 ハンドルネーム おばあちゃん子(女性)
私の祖母は今年で94歳になるが、自分の身の回りのことは何でも自分でやる元気な祖母である。年を感じさせないバイタリティーには目を見張るものがある。 私が幼い頃、両親が共働きだったため、学校へ行くときや帰ってきたときは仕事で家に居なかったが、「いってらっしゃい」、「おかえり」はいつも祖父母が言ってくれたので、寂しいと思ったことはなかった。 祖母は手が器用で、編み物の内職をしていた。小学生の頃は帽子を編んでもらい、よく学校にかぶっていったものだ。私も編み物に興味を持ち、マフラーやセーターを編んでみたことがあるが、細かい作業は性に合わずいつも祖母に手伝ってもらっていた。 学校から帰ってきて夕飯までの間など、祖母がいる居間で編み物をした。たまに編み目の数がわからなくなると、祖母のところへ行って教えてもらった。祖母は自分の作業の手を止めて、優しく丁寧に教えてくれた。一生懸命作ったマフラーができたとき祖母は「いいがになったね(富山弁で、良くできたね の意)」と褒めてくれた。 あさりのお味噌汁でお手伝い ここ13年ぐらい祖母は編み物ではなく、自分が着ていた着物を使い干支の置物やストラップを作っている。ストラップといっても、あさり貝に布を巻き、目やひげなどをつけて動物に見立て紐を通した、いかにも手作りといった感じのものである。その手作り感がなんとも愛らしく、美容院をしている叔母は、年末になると来て頂いたお客様にプレゼントしているようだ。お客様からも好評で、その時期になると大量のあさり貝が必要となり、毎日お味噌汁の具があさりだったこともあった。量産するのは大変だろうが、それを作る祖母の顔はいきいきしているように見える。 私は、結婚してから祖母と離れて暮らしているが、家の玄関には毎年、祖母の作った干支の置物を飾る。最初は小さいものが多く、保管ケースを買い、並べて飾ってあったが、最近は保管ケースに入らない大きさのものが贈られることもある。毎年進化していく祖母の手芸技術には驚くばかりだが、しばらく眺めていると、祖母と編み物をした頃をふと思い出すこともある。 これから先も干支の動物が2つ、3つと増えるように、いつまでも元気でいてもらいたい。