11月26日 いい風呂の日
製造部圧延課 ハンドルネーム 翁 トントン(60代・男性)
子供の頃、風呂に入るのは2、3日に1回くらいでした。この頃のわが家の風呂は、床は冷たくなんとも寒くて、風呂に入りなさいと言われてもあまり気が進みませんでした。 そんな私も銭湯は好きで、物心ついてから結婚前までは毎日通っていました。結婚してからは、休みになるとよく妻と二人で温泉地にドライブに出掛けました。この頃は平湯から木曽路に行くことが多く、帰りは夜に。夕食後に温泉に寄って帰るということがお決まりのルートでした。 子供が出来てからも、家族で県外の山の方面に遊びに行き、帰りは温泉に入って帰るというパターンが続いていました。この当時の温泉は、今時の大衆温泉と違い、哀愁漂う山の中の小さな旅館の一部で、浴室自体も小さく人もそんなに多くありませんでした。いつも帰るのが0時前後になるので、妻と子供はだいたい車の中で眠っていました。今考えると、この時が一番楽しい時だったのかも…。 だんだんと子供も大きくなり、一緒に温泉に行く機会が少なくなっていきました。その後は夫婦で休みが合う時に夕食が終わると回数券を買っている温泉施設に行くのが楽しみになりました。
面倒だけどステキな時間
普段は家の風呂に入ることがだんだんと多くなりました。しばらくは私が一番風呂に入っていましたが、妻と子供から「湯の汚れがひどい」と言われて仕方なく最後に入る事になりました。最後に入る人は風呂掃除をしなければならず、面倒くさくて嫌だったのですが、でも、良いこともありました。最後の風呂は、洗い場が温かく湯冷めがしないので年寄りには最高でした。それに、風呂上りにくつろいでいると、息子が会社から帰ってきて遅い夕食を始め、一人だと寂しいだろうと勝手な親心でテーブルの向い同士に座り、黙って2人で酒を飲むということが多くなりました。酔いが回り、いつの間にか椅子の上で寝てしまって、いつも息子から「部屋で寝たら」の一言。私は部屋に行き寝ることになります。風呂の時間が変わったことで見えなかったことが見えたし、ステキな時間ができたことに感謝したいと思います。 私にとって風呂は気持ちの良いステキな時間です。これからも長く付き合っていけたら素晴らしい人生になると思います。