コレに注目! パラグライダー ・・・ 空中からの絶景
製鋼課 ハンドルネーム フライングプラネット
まだ独身のころの事です。ある夏の特に暑い日に、「どこか涼しい場所は?」と考えているうちに、「高い山ならきっと涼しいにちがいない…」と、立山ライチョウバレーに行ってみました。さすがにこの高さまでやってくると、平地とは別世界で、からっとした風が気持ちよく快適です。 ふと見上げると、ちょうどパラグライダーが ふわふわと気持ちよさそうに飛んでいます。 「気持ちよさそーだなー。自分もああいうふうに飛んでみたいなあ〜」と思って聞いてみると、ゴンドラ駅下にスクールがあると言うのです。 さっそくスクールに行って、だいたいの予算を聞くと、「スクールの受講料と道具一式で約50万円ほどです」とのこと。もう少し高額かと思っていたので、その場で決めて、入校することにしました。 早くライセンスを取得したい一念で、会社が休みの日は必ず、晴れの日も雨の日も通い続けました。 まず初めに取得するのが「B級ライセンス」。練習の内容は、午前中はグライダーの立ち上げ。午後は粟巣野スキー場の中腹からフライトの練習で、これは約8日間ぐらいで取得できました。 道具一式を購入し、いよいよ高高度からのフライト練習です。テイクオフ(飛び立ち)の場所は ゴンドラでライチョウバレーの上まで上がり、10分ほど歩き、隣の極楽坂スキー場の一番上の第3ゲレンデで、ランディング(降りる場所)は、ライチョウバレーの第一ゲレンデです。 練習をつんできたとはいえ、初フライトは不安と緊張で口の中がカラカラに乾燥したのを覚えています。 フライトの後の楽しみも アマチュア無線4級を取得し、スクールの先生と連絡を取りながら、高高度をフライトする時期がしばらく続きました。「高高度フライト」を100本以上消化するのに約1年半かかり、ようやく学科試験(簡単な航空力学・気象・安全管理など)にこぎつけ、なんとか合格し、やっと念願の「ライセンスP証」を取得しました。 このP証ライセンスというのは、他のエリアでも飛ぶことが出来るライセンスです。 こうして、雪が無ければ「パラグライダー」、雪が降れば「スノーボード」と、一年中ライチョウバレーに通うことになりました。ここでは、一緒にスクールを卒業した仲間や、先輩・後輩がたくさんいました。年齢層も、60代〜20代と幅広く 職業もさまざまです。男女合わせて、晴れた日などは、多いと50人ぐらい集まります。 そうして気心の知れた仲間たちと、やがて他のエリアにフライトしに行くようになりました。場所が遠い時は、泊まりがけで現地に行きフライトするのですが、その後は仲間と風呂に入ったり、その土地の美味しいものを食べたり、夜は必ずみんなと一緒に酒を飲んで盛り上がります。これがもっとも楽しみと言えば楽しみですね。 行った場所は石川県、新潟県、長野県、福島県、茨城県、四国の高松と、全国あちこちに行きました。 わたしは、それまで一度も海外旅行をしたことが無かったので、どうせならフライトで海外に行ってみたいと思い、フランスでのフライト・ツアーにも参加しました。モンブラン(アルプスの観光地)の中腹約高度2200メートルからのフライトでは、あまりの絶景に、フライト場所から遠くに行きすぎ、空中で遊びすぎたため ランディング場所まで飛んで着地することが出来ず、近くの空き地にランディングし、ペナルティーとしてみんなにおごらなければならないはめになったのも、楽しい思い出です。 今から思えば、当時独身でお金がある程度、自由に使えたからできたのだと思います。 結婚してからは、所帯をささえる経済的責任と、嫁や親からも「危険だからやめられ〜」と言われ、やめてしまいました。しかし、鳥のように大空を飛んだあの快感は、今となっては素晴らしい体験として残っています。